今日も寒いです。暖房器具が必要です。一昨日は「辟寒犀」で暖まったので、同じように暖まれるモノが無いかと、「開元天宝遺事」の倉庫を探してみると、次のようなものが出てきた。
@ 自暖杯
内庫(宮中の倉庫)に古くからあったものだそうで、青色をした酒杯である。乱れた糸のような模様があり、縁の薄さは紙のようである。
以酒注之、温温然有気、相次如沸湯。
酒を以てこれに注ぐに、温温然として気あり、相次いで沸湯の如し。
お酒を注ぎ入れると、むわむわと温かい気が立ち込め、それから沸かした湯のように熱くなる。
お酒は温められるようですが、暖房器具ではないようです。
なお、これは同様の機能を持つこの器具とかこの器具との関連を指摘しておく(だいたい一ヶ月おきぐらいに出てきてますね)。もしかしたら超古代のアトランティスやムーなどで造られたモノかも知れませんぞー。
A 遊仙枕
これは亀爾国から献上されてきた硬質の枕である。
色如瑪瑙、温温如玉、其制作甚朴素。
色は瑪瑙の如く、温温として玉の如く、その制作はなはだ朴素なり。
色は瑪瑙石のようであり、あたたかみのあること玉のような材料で作られている。その製法はたいへん素朴で、原始の古風を伝える。
「温温」というので暖かいのかと思いましたが、玉のようなほんわか感がある、というだけで暖房器具ではないようです。
ただし、
枕之則十洲三島、四海五湖、尽在夢中。
これを枕とすればすなわち十洲三島、四海五湖、ことごとく夢中にあり。
これを枕にして眠ると、仙界といわれる十の国と蓬莱などの三つの島、世界の彼方の四方の海、チュウゴクにある五つの湖など、どんなところにも夢で行けるのだ。
という効能があるとのこと、では今日はこれを枕に暖かい南国の夢で見て眠ることにします。
なお、この遊仙枕は、後に楊貴妃の従兄弟の楊国忠に下賜されてしまい、安禄山の乱の際に楊国忠が誅殺された際にどこかに失われてしまったらしい。