平成31年1月20日(日)  目次へ  前回に戻る

名物・洗面器炒飯を食べる炭水化物ライオン。安価にカロリーが取れて貧しいドウブツたちには好評である。

一族内の申し合わせで出勤しないので、貧乏で会社に着ていく服が無くなっていたのがバレなくて楽ちんです。

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李和というひとは浙江・銭塘の読書人だが、一言で言って「貧士」であった。

鬻故書為業、尤精于碑刻、凡博古之家所蔵、必使之過目。

故書を鬻ぎて業と為し、尤も碑刻に精しく、およそ博古の家の蔵するところ、必ずこれをして目を過ぎせしむ。

むかしのひとの書いた「書」の転売をしごとにしていたが、中でも碑に刻まれた書(の拓本)について詳しかった。あちこちの昔のものを持っている家に、拓本があると聞くと、必ず出かけて行って見せてもらっていた。

彼は貧乏であったが、

或有贋本、求一印識、雖邀之酒食、恵以銭物、則毅然却之。

あるひと贋本を有して、一印識を求め、これを酒食にて邀え、恵むに銭物を以てするといえども、すなわち毅然としてこれを却ぞく。

誰かがニセモノを持ち出してきて、彼にホンモノと証明する印鑑とサインをもらおうと、酒と食事を出して迎え、おカネや贈り物を用意しても、とりつくしまもなく断った。

彼は元の初めごろのひとなので、

余生晩矣、失記其顔貌。

余生まるること晩く、その顔貌を失記す。

わしは生まれたのがだいぶん遅いから、彼の顔や姿を覚えてはいない。

ただ、おやじの親戚が世話になったとかで、おやじがいつもその人柄をほめていたのを覚えている。

以上、

漫書于此、以勵仕宦者之志云。

漫りにここに書して、以て仕宦者の志を勵(はげ)まさんと云うなり。

あまりまとまりも無いが、ここに彼のことを書いて、役人のみなさんに、公平にシゴトをしようというキモチを持ってもらえれば、と思ったのである。

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元・楊瑀「山居新語」より。貧乏だ、というところがポイントです。わしらは貧乏を言い訳にへいこらしているのだが、それはホントは許されないことなのであろう。

なお、貧乏を克服できるカモ・・・と埋蔵金探しに行ってみたが、見つかりませんでした。

 

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