もうダメかも。まったくやる気がない。
三日間、いませんでした。三日もいなかったからもう此岸の人たちはおいらのことなんか忘れたでしょう、と思いまして、そっと帰ってまいりました。
・・・・・・・・・・・・・
この数日、魚類をたくさん食ってしまいました。
明の時代のことなんですが、天長県の劉万というひとの家に、
一日有比丘詣門乞食。
一日、比丘有りて門に詣りて乞食す。
ある日、坊さんが門に来て、食を乞うた。
「何か差し上げとけ」
と劉が女房に言いました。
適釜中赤米飯熟、其婦因取施之。
たまたま釜中に赤米飯熟し、その婦、因りてこれを取りて施せり。
ちょうどお釜で赤飯が炊けたところだったので、女房はこれを取ってお坊さんに施した。
「ありがとうございます」
坊主は礼拝して、劉に向かっていうに、
「お礼によいことをお教えしましょう。
君今日捕魚、必当得極大者。然不得妄殺、是龍而魚服者也。
君、今日魚を捕るに、必ずまさに極大者を得べし。然るに妄殺を得ず、これ龍にして魚服する者なればなり。
あなたは今日、魚を捕れば、絶対にすごいでかいやつを獲ることができます。しかし、これをむやみに殺してはいけませんぞ。そいつは龍が、魚の服を着ているやつなので(タタリがありま)すから」
已而果得大魚。
すでにして果たして大魚を得たり。
さて、劉万はその日釣りに行って、確かにでかい魚を釣り上げた。
家に持ってまいりました。
「わーい、魚だ魚だ、でっかいなあ」
「おいしくいただきまちょうね」
「あんた、これはあの坊さんが・・・」
「坊主の世迷言を信じる必要もあるまい」
と、三枚おろしにしようとしまして、包丁を入れ、ぶちぶちと
剖其腹。
その腹を剖く。
魚の腹を割いた。
すると、その胃袋には、
赤米飯猶在焉。
赤米飯なお在り。
赤飯がまだ残っていたのでございます。
「これは・・・?」
「あの坊さんがこの魚に?」
「龍ってのは? ・・・かかあ、おれはちょっと頭がくらくらしてきたよ・・・」
「あたしもだ、おまえたちももう寝ておしまい・・・」
万挙家相継病死。
万、家を挙げて相継いで病死せり。
劉万の家族は次々と病に斃れて死んでいったのでございます・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
明・銭希言「獪園」巻七より。
わーい、昨日から刺身定食、焼き魚、回転寿司・・・と好き放題魚食ってきましたからね、おいらもヤラれるカモ。体重がむやみに増えるなどの超常現象が?