平成28年1月29日(金)  目次へ  前回に戻る

なんか飛んでくるかも・・・と空を見上げる。

週末。花金の夜ですが、南関東は寒い。風雨も強くなってまいりました。明日は積雪の予報あり。

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広東・羅定州の西、五里(約2キロ)ばかりいったところに牛頭湾という入り江がある。

ここに「尉佗」(いだ)を祀る廟(お堂)があったのだが、

萬暦間、廟乗風雨飛越数里、至玉樹岡譚石郷。

萬暦の間に、廟、風雨に乗りて数里を飛越し、玉樹岡・譚石郷に至れり。

萬暦年間(1573〜1620)に、このお堂、風と雨に乗じて1〜2キロの距離を飛び越え、玉樹岡の譚石郷にまで至ったのであった。

そこで同地の住民は、

増飾而祀之。号其神曰飛来神、廟曰飛来廟。

飾を増してこれを祀る。その神を号して「飛来神」と曰い廟を「飛来廟」と曰う。

お堂に飾りを増やして、これを祀った。このお堂の神は「飛んで来た神さま」と呼び、このお堂は「飛んで来た堂」と呼ばれた。

また、

其鐘与香炉未飛去者、数移入廟而数去。

その鐘と香炉のいまだ飛び去らざるもの、しばしば廟に移り入りてしばしば去る。

このお堂に附属していた鐘と香炉は飛んで来ずにもとの牛頭湾に残っていたが、ときおり「飛んで来た堂」の方にやってきては、また牛頭湾に戻っていたことがしばしばであった。

噫。異甚。

噫(い)、異なること甚だし。

ああ。なんとも不思議なことである。

まったくです。

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清・屈大均「広東新語」巻六より。わたくしも不思議なことになんとか一週間生き抜いた。が、金曜夜にまたドカンときついのが来てまた来週に続く、である。

なお、著者の屈大均についてはこちら→「読番禺集」を参照ください。

 

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