平成26年7月6日(日)  目次へ  前回に戻る

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またまた日曜日の夜になりまちたー! この土日の間に昆虫型肝冷斎がどこかに飛んで行ってしまいましたので、明日の朝は月曜日、というすさまじい重圧の中、肝冷童子が更新いたちまーちゅ!明日が来るのがこわい、こわい、こわいよー。

え? なんでそんなに月曜日がコワいのかって? それは当たり前・・・

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明初、太祖を助けて明一代の礼楽について制定制作の任に当たり、また「元史」の編修にも尽力した浦江の潜溪先生・宋濂(字は景濂)に「日東曲」(東のかた日本国のうた)という詩があります。

玉環妖血汚寰中、  玉環の妖血、寰中を汚す。

豈有霊祠祀鬼雄。  あに霊祠の鬼雄を祀るもの有らんや。

莫是仙山真縹渺、  これ仙山の真に縹渺として

雪膚花貌主珠宮。  雪膚花貌の珠宮に主たる莫(な)からん。

「玉環」は楊貴妃の字。「寰中」(かんちゅう)は「世界の中」。ここではチュウゴクのことを言っているのであろう。

 楊貴妃(は安禄山の乱のときに、玄宗皇帝から馬嵬(ばかい)の地で死を賜わったから、そ)の妖しげな血は我がシナ大陸を汚しおったのじゃ。

 だから、最大級の妖怪である楊貴妃を祀る霊場が、どこかにあるはずがないであろう。

 ほんとうに遠く微かに見えるような仙界の山があったら、

 もしかしたらそこには雪のように白い肌、花のように艶やかなかんばせの美しい仙女(楊貴妃)が玉で造られた宮殿に住んでいるかも知れないけどなあ。

白楽天「長恨歌」の中で、玄宗皇帝から楊貴妃の霊魂の捜索を依頼された道士が世界中を訪ね回るがなかなかその行方がわからない。そんなとき、

忽聞海上有仙山。  たちまち聞く、海上に仙山有り、と。

山在虚無縹渺間。  山は虚無縹渺の間に在り。

 ふと、海のかなたに仙界の山がある、というウワサを聞いた。

 その山は、世界の向こう側の虚無の国の近く、遠く微かなあたりにあるという。

そこでその山を訪ねて行って、玉で飾られた宮殿で楊貴妃(の霊魂)を見つけ出す―――

という詩句を踏まえているのですな。

さて、これがなんで「日東曲」すなわち「日本国のうた」なのか。

宋景濂は種明かしの自注(自分でつける註釈)をつけてくれています。すなわち、

国有楊貴妃祠。

国に楊貴妃の祠有り。

その国には、楊貴妃を祀る神社があるということだ。

へー。

そうなんだ。どこにあるんだろう。

・・・この神社、実は尾張の熱田神宮なんだそうです。

熱田神宮の神様が化けて楊貴妃になってシナ大陸に行ってたんだそうです。ほかのひとではなくて熱田神宮が自分で言ってるんだから本当に決まってます。江戸時代には常識だったみたいですよー!(「尾張名所図会」など)

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知らないでいると

「えー? ほんとでっちゅか?」

と驚くようなことでも、知っているひとからみると「当たり前でしょ」というようなこと多いですよね。逆にいえば「当たり前」のことに驚くひとも多い。

今日は遠征がえりのためもあり、ここまでとさせていただきまっちゅ。

←楊貴妃さま(熱田大神)(by「尾張名所図会」)

 

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