平成25年5月3日(金)  目次へ  前回に戻る

 

五月だが寒い。さすが本土。早く寝よう。

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孽揺(げつよう)という山に鳥がおりました。ただの鳥ではない。

一身而九頭。

一身にして九頭。

からだ一つに九の頭がついている。

「九頭鳥」だったのであります。

得食、則八頭皆争、呀然而相御、灑血飛毛、食不得入咽、而九頭皆傷。

食を得るに、八頭みな争い、呀然として相御し、血を灑(そそ)ぎ毛を飛ばし、食は咽に入るを得ず、而して九頭みな傷つけり。

ある一頭が食い物を入手しました。するとほかの八頭がその一頭と争い合い、ぎゃあぎゃあとうるさくお互いに制御しあい、血は流れ羽毛は飛び散った。

どの頭も食い物を呑みこむことができぬうちに、九つの頭はすべてケガをしているというありさまである。

「わはは、あほでちゅねー」

海鳧観笑之。

海鳧観てこれを笑う。

カモメはその九頭鳥を見て、大笑い。

而胡不思九口之食同帰于一腹乎。

なんじ、なんぞ九口の食の同じく一腹に帰するを思わざるか。

「おまえさん、九つ口があるけど食ったら同じ一つの腹に収まるんだよ。どうしてそのことがわからないのか」

と。

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これは寓言(たとえ話)です。いつの時代のことだろうか、とか、孽揺の山とはどこにあるのか、などと詮索してはいけません。

―――何のこっちゃ。何か意味あるの?

と思うかも知れませんが、何しろの洪武帝に「朕の張子房(←漢・高祖の名参謀、漢の創業の三功臣の一人とされる)」と称して信頼された大戦略家・劉基(参照→「建文開筺」)の「郁離子」(省適篇)からの引用です。そう思って十回ぐらい読みかえすと、すごく意味があるような気がしてきますよー。現代の政治とか経済とかスポーツ界とか・・・。

お。今日は憲法記念日だ。

 

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