本日はお彼岸らしく、昼間は暖かく夜になったら寒くなったですね。
今日久しぶりでQBボックスに行きましたら、女のひとが髪切ってくれた。どぎまぎした。天気も良かったし、もしかしたらちょっと運が向いてきてる?
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17日土曜日に「老人十拗」のことをご紹介しましたが、その後ごろごろと書を閲しておりましたら、もうこれに対する反応が寄せられております。清の梁章矩先生からです。
「わしは、二点に問題があると思うぞ」
と言うのであります。何が問題なのでしょうか。
その1
不愛食軟而喜嚼硬。(軟を食らうを愛さずして硬きを嚼するを喜ぶ。)
柔らかいものを食べるのをいやがって、堅いものばかりもごもご口の中で咀嚼しているのを喜ぶ。
とあるが、
余行年七十有四、以病歯不能嚼硬。
余、行年七十有四、病歯を以て硬きを嚼するあたわざるなり。
わしは今年で七十四歳じゃが、歯がダメになってしまっているので、硬いものを咀嚼することができなくなってしまっておるぞ。
その2
少飲酒多飲茶。(酒を飲むこと少なく茶を飲むこと多し。)
酒を飲むことが減り、たいてい茶を飲んでいる。
とあるが、
飲酒、飲茶不能偏廃。
酒を飲むも茶を飲むも偏廃するあたわず。
飲酒も飲茶も止められぬのだ。
「二老堂詩話」では、周必大先生が一聯を成して、合わせて「十二拗」にしておられるが、
当去嚼硬、飲茶二事、而以此二事湊成十反也。
まさに「嚼硬」と「飲茶」の二事を去るべく、この二事を以て湊(あわ)せて十反と成すべし。
「硬いものを咀嚼する」と「たいてい茶を飲む」の二つは削除し、周必大先生の二つを加えて、それで「十拗」とすべきである。
―――というのがわしの意見でした。
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梁章矩「浪跡叢談」三談巻三より。
梁先生が、というより、昔のひとが、わたしと一緒ものを讀んでいたかと思うとすごいうれしいです。昨日の「鍾馗」のお話はメジャーだからみんな読んでいてもおかしくないが、この「老人十拗」のようなマイナーな話だというのがうれしいですぞ。しかも讀んでぶつぶつと文句の文章まで書いていたかと思うと、まさに百年の知己に会った気分。世間様から見れば下らんことにございましょうが、読書の喜びの一つだと思うのでございます。