陸自の曹長が過労で亡くなった。ごくろうさまでした。ありがとうございました。そしてわたしもがんばろう、と思いました。
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さて。
清のころ、臨川の地に労某という読書人がいた。
この男、
好与物交。
物と交わるを好む。
ニンゲン以外のものと交流するのを好んだ。
どういう交流であろうか。彼の言葉を聞くに、
莫妙於鷄。莫凶於犬。
鷄より妙なるはなく、犬より凶なるはなし。
「ニワトリとの交流が一番いいですね。イヌとの交流が一番ひどいことになりましたね」
「ほう。どんなことになりましたのかな?」
其陰如灸、大病数月。
その陰、灸の如く、大病すること数月なり。
「イヌのあそこに入れたら、まるでお灸をすえられたよう(な痛みを覚えたの)でしたよ。そのあと何か月も苦しみましたね」
高価な朝鮮人参を服用してようやく治癒することができたのである、という。
「本当に恐ろしい。あなたもイヌだけはやめたほうがいいですよ」
これによってその「交流」がどのようなものであったのか、わかるであろう。
そのほか、
羽蹄雌牝、多充下陳。
羽蹄の雌牝、多く下陳に充つ。
羽ある(鳥)類、ひづめある(四足)獣のメスたちを、次々と愛欲の対象にした。
ひとのいうところによれば、「象」を何とかものにしたいと思い、象が入船したと聞いて浙江の港街まで出かけたが、
其厖然大、逡巡退去。
その厖然として大なれば、逡巡して退去す。
そのあまりに巨大であるのに怖気づき、うろうろして帰ってきてしまった。
このことがほんとうかどうか知らないが、ほんとうだとしたら
象得以貞。
象は以て貞を得たり。
おかげでその象は貞節を守れたということだな。
中途半端なことである。もう少しがんばればよかったのだが。
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がんばろう、の方向を間違いました。・・・というか、もう少しこういうたぐいのは自粛すべきかも。まあでもこのHPにしては珍しく実践的ノウハウ情報を提供した、ということでお宥しいただきたい。
清・楽鈞「耳食録」巻四より。なお、この記事も参照のこと。→22.9.15 (←ほんとにこのころはまだ平和だったんだなあ。)