平成23年1月25日(火)  目次へ  前回に戻る

昨日はアレがありましたのでな、ちょっと更新できませんでしたのですよ、ふは、ふははは。

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1月21日に続き、チャイナ料理第三段。今日は鼈(すっぽん)料理です。

この料理法は江淮(長江下流部から淮水にかけての地域)のお寺で用いられるものだそうです。

まずは釜に水を汲み、下から熱します。

釜水微温、置鼈於内。

釜水微かに温ならば、鼈を内に置く。

カマの水が少しぬるんできたな、という頃合いに、スッポンを何匹か、その中に入れます。

スッポンはのろのろと湯の中を泳いでいる。

その上からフタをするのですが、そのフタに工夫がある。

預鑿数孔如置鼈之数。

あらかじめ数孔、置ける鼈の数に如(ひと)しきを鑿(うが)つ。

先に、カメに入れたスッポンの数と同じだけ、孔を開けておくのだ。

フタには重しを載せて動かなくしておき、薪木を足して、カマの中を熱するのである。

中の水が熱くなると、スッポンは出口を求めて、フタの孔から首を延ばして頭を出してくる。

そこで、

先以姜汁、椒末、醤油、酒醋調和燕D、乗其熱極口張、以匙挑而灌之。

先に姜汁、椒末、醤油、酒醋を以て調和して好きを堰iととの)え、その熱極まり口張るに乗じて、匙を以て挑みてこれに灌ぐ。

まず生姜汁、山椒の粉末、醤油、酒・酢をうまく調和させて味を調えた調味料を作っておき、湯が沸き立ってスッポンが口を開けてくるのを利用して、スプーンに掬ってスッポンの口の中に入れてやるのだ。

やがてぐらぐらに煮え立った湯の中でスッポンは死に、孔から首が引っ込んでいく。

そうしたらフタを開けて、スッポンを取り出しますと、

五味尽入腑臓、遍身骨肉皆香而死。

五味ことごとく腑臓に入り、遍身の骨肉みな香りて死す。

調味料の味がはらわたに沁み込み、骨も肉も体中、旨そうな香りのするスッポン煮ができあがるのである。

坊主どもはスッポンを煮ながら合掌し、

阿弥陀仏、再忍片時便不痛。

阿弥陀仏、再び片時忍ばばすなわち痛ならず。

「なんまいだ、あとしばらくガマンなすってくだされば、もう苦しくはございませぬからなあ、ひっひっひ」

と笑い、呼びかけるのである。なんと残虐なことではないか。(→参照

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「在園雑志」巻四より。

著者の劉廷璣はさすがに坊主どもに頭に来たようで、

真所謂不禿不毒、不毒不禿者耶。

真にいわゆる「不禿不毒、不毒不禿」(フトフト、フトフト。禿ならざれば毒ならず、毒ならざれば禿ならず)というものならんや。

これこそ、ほんとうに、「ぶっだはぶっだ、ぶっだよぶっだ」(坊主ほどひどいやつはおらず、ひどいやつは坊主ばかり)と言うことであろう。

と怒っておりますね。

このシリーズは今回で終わり。

 

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