いつだってお花畑で生きてきた・・・。
娑羅居士はその隠棲の庵――娑羅館の書斎に座して、
茶熟香清。
茶熟し香清し。
摘んだ茶の葉を煎って陰干しし、よき香りを放つようになった時節には――
有客到門可喜。
客の門に到る有れば喜ぶべし。
「こんなときにはどなたがお客が来ないものか」と人待ち顔でいた。
そんなときは、なかなか客は訪ねてきてくれないものだ。
・・・これは茶を摘み終えた初夏のころ。
烏啼花落。
烏啼き花落つ。
カラスの鳴き声が目立ち、花が落ちてしまった時節には――
無人亦是悠然。
人無きもまたこれ悠然たり。
誰も訪ねて来なくてもゆったりとしたものであった。
・・・これは花すべて萎んだ晩秋のころ。
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明・屠赤水「娑羅館清言」第54則。
時と状況によって人の心のあり方は相違するのだ、ということを言いたいのでしょう。
ああ、そういえば今日はクリスマス・イブだなあ。
さすがにみなさんはちゃんとしたお考えをお持ちの方々だから、こんな日には時と状況を踏まえて「いいひと」になっており、清らかなクリスマス・キャロルみたいなお話がおスキになっているのでしょうなあ。さすがですなあ。(そうでないひとがいたらこちらへ。ただしちょっとグロ注意)