令和2年9月22日(火)  目次へ  前回に戻る

お寺には文化を理解しないこんなやつがいるかも知れませんぞ。

明日から平日。今週からは、もうほんとにどうでもいいや。

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秋分の日となり、めっきり涼しく、何より日が短くなってきました。そんな中、

独歩無伴侶、 独歩して伴侶無く、

曳杖白雲隈。 杖を曳く、白雲の隈。

 おいらは独りぼっちで、連れ合いもなく出かけ、

 杖をひきながら、白雲の外べりをたどって歩いてみた。

山の中に入ったんですが、それほど高山ではないので、白雲の隈(外べり)なんです。

ところが、

楓根斜日没、 楓根に斜日没し、

余色冷青苔。 余色、青苔に冷ややかなり。

 カエデの根の向こうにつるべ落としのように日は沈んでしまい、

 残映の中に緑のコケが浮かぶ。気温が下がってきた。

これは困りました。これから家に帰れそうにもない。

そのとき、

知有谷底寺、 知る、谷底に寺有るを、

木魚一声来。 木魚の一声来たれる。

 谷に下っていけばお寺があるのがわかった。

 木魚の音がふと、聞こえてきたからだ。

よかったです。ほんとはこちらに行ってたんですけどね。

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「東瀛詩選」巻四十三より「山行」(山歩き)。作者は「有馬輗(ありま・げい)、字・子車、瓊州と号す、南紀のひと」とありますが、「東瀛詩選」に入っているのもこの一首だけなので、どんなひとかよくわかりません。コトバ遣いとか、如何にも日本人の詩ですね。明治期の詩だとすると廃仏毀釈後になるんで、幕末の詩なのかな。

 

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