令和2年9月9日(水)  目次へ  前回に戻る

目があった―――が、それだけである。シゴトに行かされたためだいぶん弱っているようだ。うっちゅっちゅ。

肝冷斎に巣食っている肝冷ネズミでちゅー。肝冷ネコがやる気をなくしてぐたぐたになってしまったので、追いかけられることもなく表に出てきたのでちゅが・・・。

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元の時代、賢相とうたわれた脱脱(とと)さま(こちら参照が宰相であったときのことでちゅーが、

有神童来謁。

神童の来謁する有り。

神童が面会を求めてやってきたことがあった。

「会ってみよう」

と会ってみましたところ、

年才数歳。

年、わずかに数歳なり。

やっと二三歳という幼児であった。

ところがこの幼児が詩を作ることができるというので、

「そうだなあ・・・

令賦担詩。

「担」の詩を賦せしむ。

では、「背負う」という題の詩を作ってみてくれるか」

すると、幼児は「あい、整いまちた」と即座に歌いだしました。

分得両頭軽与重、 両頭を分かち得たり、軽きと重きと、

世間何事不担当。 世間何事ぞ担当せざる。

 軽いものと重いものを、やっと二つに分けることができて、よいしょ、と。

 この世の中のことは、なんでもかんでも背負いこまないわけにはいかないのだよなあ。

「むむむ・・・」

脱脱は唸ってしまった。

蓋諷丞相也。

けだし丞相を諷するなり。

その詩は丞相の職責をぴったりと言い当てていたからだ。

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「至正直記」巻一より。総理大臣はたいへんでちゅねーというお話でちゅが、でもネズミもネズミなりにたいへんなんでちゅー。明日はもうおしまいだー。

なお、九月九日は重陽節ですが、旧暦ではないのでお祝いはしません。

 

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