「おろかものをコケにしにいくでコケ―!」「ピヨ―!」「ピヨ―!」「ピヨ―!」と駆けていくのはメディアに踊らされてるみなさん・・・かと思ったが、ニワトリたちでした。
明日は平日。ただし肝冷斎は退職して現世から離脱しているので、「明日出勤しなければ」ということは妄想だ。
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むかしむかし、お釈迦様が言いましたことには、
真丹国乃能従化、甚見侵侮。
真丹国すなわちよく化に従わんも、甚だ侵侮せらる。
「真丹国」は「震旦」(しんたん)とおなじで、チャイナをインド側から見たときの呼び名。「シナ」と同源であるそうです。
「チャイナの国はわしらの教えに従う潜在能力はあるようじゃが、今のところひどくわしらをバカにしておる。
そこで、おまえたち、行ってわしらの教えを、やつらに分かりやすいように教えてやってこい!」
「御意にござります」
「あいでちゅ、おしちょうちゃま」
と返事して出かけたのが、迦葉菩薩と浄光童子で、
摩訶迦葉往為老子、浄光童子往為孔某。
摩訶迦葉往きて老子と為り、浄光童子往きて孔某と為る。
十大弟子の一人マハー・カッサパがチャイナで老子となり、浄光童子がチャイナで孔なんとかさんになったのである。
孔子を名指しすると畏れ多いので孔某、と柔らかく言っているのです。
さらにそのあと、
「お前も行ってまいれ」
「あい、おいらもいきまーちゅ」
と、
又遣月明儒童往為顔回。
また月明儒童をして往きて顔回たらしむ。
さらに月明小僧を派遣して、チャイナで孔子の一番弟子である顔回にならせた。
三弟子出生其国、乃能従化。
三弟子その国に出生して、すなわちよく化に従わしむ。
おシャカさまのこの三人の弟子は、その国に転生すると、うまく教えに従わせたのである。
・・・と、「清浄法行経」というお経に書いてあるそうです。
また、「造天地経」というお経には、それよりさらに以前の超古代、
宝暦菩薩下生世間、号曰伏羲。吉祥菩薩下生世間、号曰女媧。
宝暦菩薩世間に下生し、号して伏羲と曰う。吉祥菩薩世間に下生し、号して女媧と曰う。
天界におられた宝暦菩薩が現世に転生されて、伏羲となり、吉祥菩薩が現世に転生されて、女媧となった。
という説が記されております。
宇宙を生成し、人間を泥団子から作ったという伏羲・女媧の二柱の神さまも、仏教の菩薩だったのだ。
わたしが発見したのではなく、唐の時代から有名なことで、当時から杜嗣先というひとが、
吉祥御宇、儒童衍教。
吉祥宇を御し、儒童教えを衍(の)ぶ。
吉祥菩薩(ラクシュミー女神)が天下を治め、月明小僧が教えを広めた。
とうたっているのです。
そうか、チャイナの文明はインドから来た神さまやおシャカのお弟子が作ったんだ。
と感心していましたところ、道教徒がやってきて、
―――そんなことはありませんぞ。
と言い出したところでは、
荘王癸巳之年、一陰之月。
荘王の癸巳の年、一陰の月。
周の荘王のみずのと・みの年(紀元前688)、第一番目に月が欠けていく期間のこと―――
老君遣尹真人乗月精白象下天竺、于静飯夫人口中托生仏者。
老君、尹真人をして月精白象に乗じて天竺に下り、静飯夫人の口中に仏者を托生せしむ。
この「老君」は歴史上は老子として現れた(そのひとさえ実在してないと思われますが)ところの道教のすごい高位の神さまの本体のことです。
偉大な神・老君さまは、尹真人という仙人に、
「月の精である白い象に乗ってインドの地に下りて、「静飯夫人」という女性の口の中に入り込んで、彼女からブッダとして生んでもらってこい」
とお命じになった。
「静飯夫人」は、シャカ族の王・浄飯(じょうぼん)王のお后であった摩耶夫人のことです。
―――こうして生まれたのがおシャカのやつなのです。
というのです。
嘻。
嘻(ああ)。
わはは。
これはおもしろい。
出乎爾者、反乎爾者也。小人無忌憚如此。蔵経中此類不少、故応刪却。
「爾に出ずるものは爾に反るものなり」。小人の忌憚無きことかくのごとし。蔵経中この類少なからず、故にまさに刪却すべし。
「おまえが出したものはおまえに戻っていくのだ」というコトワザのとおりだ。(インドの文明はチャイナのひとが作ったのだ)・・・といいますか、(仏教や道教の)くだらぬやつらの考えることは、こんなふうにタブーなんか無しの何でもありなのである。仏教の「大蔵」、道教の「道蔵」に収められた経典の中には、こんなたぐいの話がわんさかある。削除して版木も破却しなければなりませんぞ。
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「茶余客話」巻十四より。むかしのアジアのやつらはダメだなあ。こんなオロカな妄想ばかりしていたので、欧米に付け込まれたのでしょう。・・・というのもヘイトスピーチになるのであろうか。われわれゲンダイ人はカシコいから、われわれから見ればむかしのやつらはみんなオロカだからしかたないですよ。あっはっはっはっは。