前半のゴマ団子はカロリー高くてうまいでぶー。しかし後半は許されないでぶー。
今日はヨコハマへ外勤に。いいシゴトでしたが暑かった。暑いと「カロリー取らないと」という気持ちが強くなって危険である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
麻蛋(またん)という食べ物があります。
以麺作団、炸油鑊中、空其内。大者如瓜。
麺を以て団を作り、油鑊(ゆかく)中にて炸してその内を空にす。大なるもの瓜の如し。
小麦を捏ねて団子にし、これを油の煮立ったなべの中に入れて炒め、内部の空気を膨らませて大きくする。中は空っぽだが、大きいものはウリぐらいの大きさになるのである。
という食べ物なので、(違うような気もしますが)「ゴマ団子」と解してみます。
粤中年節及婚嫁、以爲饋遣。
粤(えつ)中、年節及び婚嫁には、以て饋遣(きけん)と為す。
広州では、新年節と結婚式のお祝いに、これを贈り物とするのが通常である。
徳清の佘半眉(しゃ・はんび)がこの団子のことを詠って、
安得規模如此大、 いずくんぞ規模のかくの如きの大なるを得て、
不堪心腹竟全空。 堪えずや、心腹ついに全く空なるに。
どうして、これほど図体は大きくなっていながら、
心の中が全く空っぽ、ということが許されようか。
とか、
四面円光皆客気、 四面円光もみな客気、
一番投贈半虚花。 一番投贈するに半ばは虚花なり。
どちらに向かってもころころとまるく、外面はてらてらと光っていても、実はすべて空元気、
どうぞと贈り物にしても、半分はまぼろしの花で、中身は無い。
と言っているのは、そのまま人を戒める「警句」となっている。
人間、やはり中身を磨かねばならないので、外面だけ油ぎってキレイでも、中が空っぽではいけないのだ。
(ここから後半)
また、
粤俗最重焼猪、娶婦得完璧、則婚家以此饋女氏。
粤俗最も焼猪を重んじ、婦を娶りて完璧を得れば、すなわち婚家これを以て女氏に饋(おく)るなり。
広州の風俗では、最も重要視されるのはブタの丸焼きである。ヨメをもらって、すべて滞りなく終わると、夫の家から妻の実家に、これを贈ることになっている。
(ぶー、ぶー)
大族有用至百十頭者、蓋誇富也。
大族用いて百十頭に至る有るものは、蓋し富を誇るなり。
富豪の家で、この贈り物を何百、何十頭も贈ることがあるのは、その家の富を誇ろうとしているのである。
(ぶー、ぶー、ぶー)
一方、
如不致送、則媒氏随押粧奩、背負其女而帰矣。
もし致送せざれば、媒氏、粧奩を随押し、その女を背負いて帰る。
もしブタの丸焼きを贈らないでおくと、(たいへんメンツを潰されたことになるので)仲立ちをした紹介ばばあが、化粧品や鏡類を差し押さえて従者に持たせ、新婦を背負って実家に連れて帰る。
と言われる。当人たちの愛よりも、ブタの丸焼きの方が重要なのだ。(ぶー、ぶー、ぶー、ぶー、ぶー)
其他賽願敬神等事、率皆用之。
その他、賽願、敬神等の事、したがいてみなこれを用う。
そのほか、満願のお礼参りや神さまを敬うお祭りなどにも、すべてブタの丸焼きを使う。
(ぶー、ぶー、ぶー、ぶー)(ぶー、ぶー、ぶー、ぶー)だんだん怒りに燃えたブタが集まってきました。
最足奇者、観音誕辰亦荐此品。豈仏門清浄之戒、不到南天歟。
最も奇に足るは、観音誕辰またこの品を荐(しき)りにす。あに仏門清浄の戒も南天に到らざるか。
最も不思議でならないのは、観音様のお誕生日のお祝いにも、いつもこの品を使うことである。仏教の不殺戒も、広州のような南国には届かなかったのであろうか。
ちなみに観音菩薩の誕辰は二月の十九日とされています。
・・・・・・・・・・・・・・・・
清・梁紹任「両般秋雨盦随筆」巻三より。観音さまにまでまる焼き豚を食わせるとは。
怪しからんでぶー。ぶー、ぶー、ぶー、ぶー。(うわ、すごい数のブタが集まってきたぞ)
糾弾するでぶー、ぶー、ぶー、ぶー。ぶー、ぶー、ぶー、ぶー。
ヘイトでぶー、ぶー、ぶー、ぶー。ぶー、ぶー、ぶー、ぶー。
万国のブタよ、立ち上がるでぶー、ぶー、ぶー、ぶー、
ぶー、ぶー、ぶー、ぶー
・・・・(ブタの怒りによって当HP閉鎖の可能性も)