じゅごんでゴン。本文とは何の関係もないのでゴン。
今日も雨降りです。七夕を新暦でやっているひと、やーいやーい。
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夏の天気は変わりやすいのです。
元の延祐年間(1314〜20)のことですが、ある年の夏、銭塘の富豪・韓介石の家で、
忽風雨驟至、令庖僮往楼上閉窗。
忽ち風雨驟至し、庖僮をして楼上に往きて窗を閉めせしむ。
にわかに風が吹き激しい雨が降ってきたので、料理人見習いのボーイを上の方の階に昇らせ、窓を閉めに行かせた。
そのあと風雨はさらに強まり、加えて激しい稲光と落雷があったが、しばらくすると、うそのように空は晴れ上がった。
ところが、
雨過不見此僮。
雨過ぎるもこの僮を見ず。
雨が過ぎてしまっても、窓を閉めに行かせたボーイの姿が見えない。
主人らが連れだって、
楼上尋之、則已斃矣。
楼上にこれを尋ぬるに、すなわちすでに斃る。
上の階を探しに行ったところ、すぐにその死体が見つかった。
その死体から
取所帯刀而験之、縧鞘皆如故、刀刃則銷鑠過半。
帯びるところの刀を取りてこれを験(しら)ぶるに、縧・鞘みな故の如きに、刀刃はすなわち銷鑠(しょうしゃく)過半なり。
腰に帯びていた包丁を外して調べてみたところ、結び紐や鞘には何の変化もなかったのに、刀身部だけは半分以上、溶けてしまっていた。
「これは、あのときと同じだなあ」
韓介石が思い出したのは、内侍(宦官)の李舜挙の家にカミナリが落ちたとき、
人以爲堂屋已焚、窗紙皆黔。有一宝刀極鋼。就刀室中溶為汁、而室亦儼然。
人以て堂屋すでに焚くと為し、窗紙みな黔(くろ)ずむ。一宝刀の極めて鋼堅なる有り。刀室中に就きて溶けて汁と為るも、室また儼然たり。
ひとはみな正堂も住宅もすべて焼けただろうと思ったが、実際には窗の障子紙がすべて真っ黒になっていただけであった。正堂には家宝の刀剣があって、極めて堅いものだったのだが、鞘から抜くと、金属部分が溶けて液状化していて、とろりと落ちてしまった。鞘はもとのままであった。
カミナリが落ちると、金属が溶けるのだ。
此理殊不可強解也。
この理、ことに強解すべからず。
この理由は、特に強いて知ろうとしてはならない。
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元・楊瑀「山居新語」より。よし、実験だ。機会があったらやってみます。みなさんもどうぞ。