令和元年7月9日(火)  目次へ  前回に戻る

夏場となり、カッパが何となく陸地ドウブツに対して居丈高になる季節だが、怒ったりしてはいけない。

業務上の都合にて、神宮球場のチケットがムダに!

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というほどのツラい目にあったときでも、怒ったり、ぎゃあすか言ったりしてはいけませんぞ。

まずは落ち着いて、静かに座ってみることじゃ。

静座然後知平日之気浮。

静座して然る後知る、平日の気の浮きたりしを。

静かに座ってみよ。そうすれば、いつもは如何に浮ついた気持ちでいたかに気が付くじゃろう。

それから黙ってみることじゃ。

守黙然後知平日之言躁。

守黙して然る後知る、平日の言の躁なりしを。

沈黙を守ってみよ。そうすれば、いつもは如何にさわがしく言い立てていたかに気が付きはるやろ。

それから、

省事然後知平日之心忙。

省事して然る後知る、平日の心の忙なりしを。

何事もしないでいよ。そうすれば、いつもは如何に忙しく心を働かせすぎていたかに気が付くだろう。

さらに、

閉戸然後知平日之交濫。

閉戸して然る後知る、平日の交の濫りなりしを。

戸を閉ざして来客を断ってみよ。そうすれば、いつもは如何に要らぬつきあいをしすぎていたかに気が付くでっしゃろ。

寡欲然後知平日之病多。

寡欲にして然る後知る、平日の病多かりしことを。

やりたいことを減らしてみよ。そうすれば、いつもは如何に自分の体を傷めつけていたかに気が付くでごんす。

近情然後知平日之念刻。

近情なりて然る後知る、平日の念の刻なりしを。

人の情を親しく思ってみよ。そうすれば、いつもは如何に他人にきつい思いでいたかに気が付くカモ。

語尾に変化をつけて、興味を持ってもらいやすくしてみました。

「静座」「守黙」「省事」「閉戸」「寡欲」「近情」

この「六行」十二文字を床の間とはいかなくても、座右か座左に書いて、ときどき見るようにするといいですよ。すべて実行する必要はありません、そういう気持ちになってみればいいんです。

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「格言聯璧」巻二・持躬篇より。この「六行」ならいいと思いますが、座右に「面従腹背」と書いてあったら、さすがに普通の人はびっくりしはりますよ。

 

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