「けしからんモグでぶ、叩くと反発するとは」「それはアナグマでもぐ」。危険なドウブツと弱小ドウブツを取り違えると危険である。
そろそろ休みかなあ、と思ったんですが、まだ週末ではないというんです。本当かなあ。
・・・・・・・・・・・・・・・・
みなさんも山中に入ってシゴトをすることがあると思います。山の中ではやはりトラがコワいですよね。そこで、トラを避けるいい方法を教えましょう。トラさえ避けられるのですから、もちろんほかのワルいドウブツも避けられます。
凡人入山、持牛羊等角、於上風焼之。
およそ人の山に入るには、牛羊等の角を持し、上風においてこれを焼くなり。
一般に人が危険な山中に入るときには、ウシやヒツジなどの角を持って行き、風上に立ってこれを焼くとよいのである。
そうすると、
豺虎山精避不見形、蛇虺絶迹。
豺虎山精は避けて形を見(あらわ)さず、蛇虺(じゃき)は迹を絶つ。
「山精」は山の神さま、「山のぬし」のことですが、ここでは「山魅」と同じく、サルの類のドウブツ。サルにも弱いやつはいると思いますが、山のぬしレベルの大きいやつでないと「山精」とは呼ばれません。「虺」(キ)は毒蛇、一般にマムシ。
ヤマネコやトラ、大ザルの類は避けてすがたを見せないし、ヘビやマムシも出て来ない。
―――本当でしょうか。
理論的に明らかである。なぜなら、
角烟怖虎。
角烟は虎を怖じせしむ。
角を焼いた煙はトラに恐怖を与えるからである。
また、
井泉陂塘内、多生蟲蛙為害者、投馬骨於中、則絶跡矣。
井泉陂塘の内に、多く蟲蛙(ちゅうあ)の生じて害を為すものは、馬骨を中に投ずれば、すなわち跡を絶つなり。
泉や池など土堤で囲まれた内側に、ムシやカエルが多数発生して害悪を成す場合には、そこに馬の骨を投げ込んでやれば、発生しなくなるものなのである。
どこの馬の骨でも効き目があるらしいのだ。
―――信用してもいいのかなあ。
見存敬斎文集。
「存敬斎文集」に見る。
知らん。しかしどちらも存敬斎先生の文集の中に書いてある。
・・・・・・・・・・・・・・・・
清・袁枚「随園随筆」巻下より。そうか、本に書いてあるんですね。知識人の人が言っていることなら信用できるなあ。なお、存敬斎先生についてはどういうひとなのか、調査中です。