平成31年4月24日(水)  目次へ  前回に戻る

「けしからんモグでぶ、叩くと反発するとは」「それはアナグマでもぐ」。危険なドウブツと弱小ドウブツを取り違えると危険である。

そろそろ休みかなあ、と思ったんですが、まだ週末ではないというんです。本当かなあ。

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みなさんも山中に入ってシゴトをすることがあると思います。山の中ではやはりトラがコワいですよね。そこで、トラを避けるいい方法を教えましょう。トラさえ避けられるのですから、もちろんほかのワルいドウブツも避けられます。

凡人入山、持牛羊等角、於上風焼之。

およそ人の山に入るには、牛羊等の角を持し、上風においてこれを焼くなり。

一般に人が危険な山中に入るときには、ウシやヒツジなどの角を持って行き、風上に立ってこれを焼くとよいのである。

そうすると、

豺虎山精避不見形、蛇虺絶迹。

豺虎山精は避けて形を見(あらわ)さず、蛇虺(じゃき)は迹を絶つ。

「山精」は山の神さま、「山のぬし」のことですが、ここでは「山魅」と同じく、サルの類のドウブツ。サルにも弱いやつはいると思いますが、山のぬしレベルの大きいやつでないと「山精」とは呼ばれません。「虺」(キ)は毒蛇、一般にマムシ。

ヤマネコやトラ、大ザルの類は避けてすがたを見せないし、ヘビやマムシも出て来ない。

―――本当でしょうか。

理論的に明らかである。なぜなら、

角烟怖虎。

角烟は虎を怖じせしむ。

角を焼いた煙はトラに恐怖を与えるからである。

また、

井泉陂塘内、多生蟲蛙為害者、投馬骨於中、則絶跡矣。

井泉陂塘の内に、多く蟲蛙(ちゅうあ)の生じて害を為すものは、馬骨を中に投ずれば、すなわち跡を絶つなり。

泉や池など土堤で囲まれた内側に、ムシやカエルが多数発生して害悪を成す場合には、そこに馬の骨を投げ込んでやれば、発生しなくなるものなのである。

どこの馬の骨でも効き目があるらしいのだ。

―――信用してもいいのかなあ。

見存敬斎文集。

「存敬斎文集」に見る。

知らん。しかしどちらも存敬斎先生の文集の中に書いてある。

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清・袁枚「随園随筆」巻下より。そうか、本に書いてあるんですね。知識人の人が言っていることなら信用できるなあ。なお、存敬斎先生についてはどういうひとなのか、調査中です。

 

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