平成30年12月6日(木)  目次へ  前回に戻る

忍者の修行をしようと思ったのだが、昼間も昼寝をするのに忙しく、修行は遅遅として進まない。

今日は金曜日だと思っていたのに、まだ木曜日だったので、絶望して昼の会議で寝た。

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清の時代のことです。江蘇・無錫の東郷に唐与鳴というひとがいました。

このひとが、

偶昼卧椅上、齁齁睡熟。

たまたま、昼、椅上に卧して、齁齁(こうこう)として睡熟せり。

あるとき、昼間、長椅子の上で寝転がっていて、こうこうとイビキをかいて熟睡したことがあった。

家人が見に来て、眠っているのを知ってそっとその場を離れようとしたとき、

忽鼻中出両小人、可二寸許、行地上疾如飛。

忽ち鼻中より両小人の、二寸ばかりなる、地上を行くに疾きこと飛ぶがごとし。

突然、唐の鼻の穴から、二人の小人ちゃんが出て来たのだった。その背丈は6〜7センチ、地上をまるで飛んでいるかのように素早く動き回る。

「なによ、これは」

家人驚異、将攫之、仍躍入鼻中而寤。

家人異に驚き、これを攫わんとするに、よりて鼻中に躍入して寤めたり。

家人は変なものが出てきたので驚き、これを捕まえようとして大騒ぎしたが、小人たちはこれに気づくと、鼻の穴にまた飛び込んでしまい、そこで唐は目を覚ました。

唐は目を覚ますと、

「今、危うかった。楽しく歩いていたら、巨大なひとが現れ、わしを捕らえようとしたのだ。恐ろしい夢であった」

と言った。

そこで、

始知短人者即唐之元神也。

始めて知る、短人なる者は即ち唐の元神なれるを。

ようやく、小人は唐自身の本体であったことがわかったのである。

捕まえなくてよかったですね。

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履園叢話」十四より。魂には荒魂と和魂、天下大将軍と地下女将軍、陽神と陰神など、対になるものが多いので、この唐の「元神」(本体)も両方の鼻の穴から二体出てきたのであろう。肝冷斎の鼻の穴からも出てくるかも知れませんので、会議中はご注意ください。

 

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