カメにも遁走されてしまうとは、情けないウサギどもでぶー。
明日から平日。出勤ムリです。またロボかデクを行かせるか。
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清の時代のことだそうです。
山東の肥城の某村に
有狐在一媼家、与人言休咎。
狐の一媼の家に在りて、人のために休咎を言う有り。
狐(コ)があるばばあの家に住んでいて、ひとの運命の吉凶を予言してくれる、と評判であった。
いつも申し上げておりますが、チャイナの「狐」は、キツネの姿をまったく現さないことが多いので、「狐」(コ)と音読みにして、精霊の一種だ、と思っておく方がぴったりします。したがって、以下、「狐」は(コ)と読んで行ってください。
付近の運河の管理を所管する于少府というひとが、そのばばあの家を訪ねてみたところ、
至則堂中懸白鬚老人像、向之長揖。
至れば堂中に白鬚の老人像を懸け、これに向かいて長揖す。
到着すると、まずは正堂に案内される。そこには白いヒゲの老人の画像が掛けられており(これが「狐」らしい)、訪問者はこれに向かって長々と一礼することになっている。
すると、やがて、
聞壁上応曰、不敢当、請坐。
壁上に応じて「敢て当たらず、請う、坐せよ」と曰うを聞く。
壁のあたりから、「歯向かいはしませんよ(。よく来てくだすった)。お座りください」という声が聞こえてくるのである。
しばらくしてもこの声が聞こえてこないようなら、ばばあがやってきて「今日はお引き取りくだされ」と言うのだそうだ。
于少府は壁の声が聞こえた。その声は、
命媼進茶、声嚶嚶類鳥語、非諦聴不弁。
媼に命じて茶を進めしむるに、声嚶嚶(おうおう)として鳥の語に類し、諦聴せざれば弁ぜず。
ばばあに「お茶をお出ししないさい」と命じた。その声は、「ああ、ああ」とまるで鳥の声のようで、集中して聴かないと何を言っているのかわからない。
声はよく聞こえないのですが、ばばあが間に入って解説してくれるので、その趣旨はわかるのだそうです。
于少府が何を占ってもらったのかは伝わりません。しかし、少府はその答えに大いに感心して、役所の関係者に、あちこちで「某村の狐はよく当たる」と吹聴した。
さて―――
数月後、肥城令少子病、夫人遣僕往問、狐曰可治。併写方付之。
数月後、肥城令の少子病み、夫人僕を遣りて往問せしむるに、狐曰く「治すべし」と。併せて方を写してこれに付す。
数か月後のこと、肥城の知事のまだ幼い息子が病気になった。知事夫人は某村の狐がよく当たるというので、下男を村に遣わして病状について質問させた。
狐は「治ります」と明確に答え、あわせて、飲ませるべきクスリの処方箋まで書いて下男に持たせてくれた。
下男は文字の読み書きができない。ばばあも文字など書けそうにない。
「それではこれは狐が書いたものなのだろう」
と信用しまして、
飲其薬、洞泄而卒。
その薬を飲ましむるに、洞泄して卒せり。
そのクスリを処方して子どもに飲ませてみたところ、
「ぷぴー」
大いに腹を下して、死んでしまった。
「なんということじゃ!」
令大怒、命拘媼至、将治其罪、狐先期遁、媼亦遂死。
令大いに怒り、命じて媼を拘して至らしめ、その罪を治せんとするに、狐、期に先んじて遁し、媼また遂に死せり。
知事は大に怒って、ばばあを捕らえてこさせ、その罪を罰しようとしたのだが、狐はそれより先に遁走してしまったということであり、ばばあも間もなく死んでしまった。
そうです。
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「翼駉稗編」巻二より。当事者の一人である于少府から著者が聞いた話だそうですから、真実でしょう。おそらく。
ミスなのか意図的なのかわかりませんが、確かにこの「狐」の立場としては遁走するしかないであろうと思われます。ついでに、わしもいろいろあるんで遁走します。あとはロボかデクが何とかすると思います。