体調など心配なことがあるなら、何にでも効くこのカッパ鼻水をやるから嘗めるといいでカッパ。
今週は災害が相次いで日本中たいへんですが、週末なので休ませてもらいます。
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明の時代のことでございますが、呉の町中に代々の読書人の家がありました。
その主人、
夜起如厠、忽聞中庭人声異常、怪之。
夜起きて厠に如(ゆ)くに、忽ち中庭に人声の異常なるを聞き、これを怪しむ。
ある晩、夜中に起きてトイレに行こうとして、ふと中庭の方から人の声が聞こえてきた。どうも尋常な声でないので、不思議に思った。
そっと中庭の方に行ってみたが、そちらに近づくと、
静無所見。
静かにして見るところ無し。
その声は途絶えてしまい、見回しても誰もいない。
「わしの耳がおかしいのかな」
と思いながら、
倚却庫門両傍石柱諦聴。
庫門の両傍の石柱に倚却して諦聴す。
中庭に続く中門の両側の石柱に寄りかかって、耳を澄ましていた。
すると・・・、
「????」
其中相与語如人声。
その中に相ともに語ること人声の如し。
石柱の中から、何やらひそひそと会話しあっているらしい人の声が、聞こえてきたではないか。
その声、
澒澒洞洞、不可解。
澒澒洞洞(こうこうどうどう)として、解するべからず。
かんかん、とんとん、と聞こえるばかりで、何と言っているのかまったくわからない。
徐呼守門者同視之、因令挙家共聴、尋声只在石柱中。
おもむろに守門者を呼びてこれを同視し、因りて挙家をして共に聴かしむるも、声を尋ぬるにただ石柱中に在るのみ。
そっと表門の夜番をしている者を呼んできて一緒に柱を見てもらったが、彼も不思議そうにうなずくばかりである。そこで、家中の者を起こして一緒に聞かせたが、その声が石の柱の中から聞こえてくることだけはわかるのだが、やはりみな何と言っているのか理解できなかった。
次の日は、
昼則寂然、数夜如此、後忽絶。
昼は寂然とし、数夜かくの如く、後たちまち絶す。
昼間は何の物音も聞こえなかったが、夜になると同じように声の聞こえることが幾晩か続き、いつの間にか、ぷっつりと聞こえなくなった。
不思議なことである。
その後、
踰二年、主人病死。
踰ゆること二年にして、主人病みて死せり。
二年少しして、主人は病気で死んでしまった。
果たしてこのことと関係があったのであろうか。
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「獪園」第十四より。どこに災いが潜んでいるかわかりません。心配してもしようがないのだが。