平成３０年８月２８日（火）　　目次へ　　前回に戻る

夏の�ﾌは発想を変えて、かき氷をおかずにしてみてはどうか。

朝晩は少しづつ涼しくなってきているかなあ、と思うんですが、間違いでしょうか。

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秋になりますと夜更かししてしまうものです。

一声秋雨、一声秋雁、消不得一室清燈。

一声の秋雨、一声の秋雁、消し得ず、一室の清燈を。

一瞬に通り過ぎる秋の雨、一声鳴いて北に行く秋の雁。それらの趣きを求めて、風流な主人の一部屋の灯りはなかなか消えることがない。

そういえば、

一月春花、一舗春草、繞乱却一生春夢。

一月の春花、一舗の春草、繞り乱却す、一生の春夢を。

月一つの下の春の花、一庭に茂るの春の草。これらに纏わりつかれて、この人生の春の夢は乱れて壊れてしまったのだ。

そろそろ春のことは忘れてしまわねばなりません。

そうでないと人生の後半をムダにするよー。

夭桃紅杏、一時分付東風。

夭桃・紅杏、一時に東風に分付す。

わかわかしい桃の花やあかあかとした杏の花は、その時には東から吹く春の風に乗って匂ってきたものだ。

桃や杏の花や実は、「詩経」の時代より、若く美しい女人の比喩である。

しかしもうその時が過ぎますと、

翠竹黄花、従此永爲�ﾌ伴。

翠竹・黄花、これより永く�ﾌ伴（かんはん）と為る。

青々とした竹、黄色い花が、これからは長く閑暇の連れになるのである。

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「酔古堂剣掃」巻十二より。

青々とした竹と黄いろい花は、桃や杏とは違います。

「五燈会元」巻三にいう、馬祖道一の法嗣である唐の大珠慧海禅師が仏の本体である「法身」（ほっしん）を感知できないひとかどうすればいいのか、と問われたときに、

「馬鳴尊者がこのようにおっしゃっておりますなあ・・・」

と言って引用したコトバ、

迷人不知法身無象、応物現形。

迷人は知らず、法身は象無く、物に応じて形を現わすを。

迷っているひとには、「法身」にはそれ自体の姿などは無く、いろんな物に対応して形を現わすということがわからない。

遂喚、青青翠竹総是法身、鬱鬱黄華無非般若。

遂に喚びて、青青たる翠竹はすべてこれ法身、鬱鬱たつ黄華は般若にあらざる無し、と。

そこでこういうのだ。

「青々と延びたみどりの竹は、すべてそれこそが「法身」であり、もわもわと集まって咲く黄色い花々は、「般若」（まことの知恵）でないものはない」

と。

つまり、

如人喫筍、応総喫法身也。

もし人、筍を喫（く）らわば、まさにすべて法身を喫らうなり。

おまえさんがタケノコを食うということは、要するに「法身」をそのまま食う、ということなんじゃ。

・・・これに拠っているので、翠竹や黄華は「世界の真理（を求める禅の世界）」というような意味になるわけです。

ただし、慧海禅師は以上の馬鳴尊者のコトバについて、

如此之言、寧堪歯録。

かくの如きの言、寧（なん）ぞ歯録に堪えんや。

「こんなコトバ、どうして記憶しておく必要があろうか」

と否定しているようでもあるので、このひとたちの相手をするには、なかなか一筋縄では行かないのである。

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