平成30年5月24日(木)  目次へ  前回に戻る

いかにカラスのように強い心を持とうとしても、追随するヒヨコたちは落ちてきてしまう。「出来ないことは出来ません!」の精神は大切である。

早起きはツラいことである。

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賢者之治国也、蚤朝晏退、聴獄治政。是以国家治而刑法正。

賢者の国を治むるや、蚤(つと)に朝し晏(おそ)きに退き、獄を聴きて政を治む。ここを以て国家治まりて刑法正し。

賢者が(君主として)国を治めると、朝早くから朝廷を開いて日が高くなるまで政務を行い、刑事事件の訴えを聞いて判断し、まつりごとをまとめていくので、これによって国家は治まり、刑罰や行政は正しく実施されるのである。

また、

賢者之長官也、夜寝夙興、収斂関市山林沢梁之利、以実官府。是以官府実而財不散。

賢者の官に長たるや、夜に寝ね夙に興き、関市・山林・沢梁の利を収斂して、以て官府を実たす。ここを以て官府実ちて財散ぜず。

賢者が(宰相として)役人たちの長になると、深夜に寝て早朝に起き、関所や市場での税収、山林からの収穫、沼沢地や橋梁からの利益をあげて、おおやけの倉庫に収納していくので、これによっておおやけの倉庫は充実し、国や民の生み出した財は無駄にならなくなるのである。

さらに、

賢者之治邑也、蚤出莫入、耕稼樹藝、聚菽粟。是以菽粟多、而民足乎食。

賢者の邑を治むるや、蚤に出でて莫に入り、耕稼・樹藝して菽粟を聚む。ここを以て菽粟多く、民は食に足る。

賢者が地方に土着して村落の指導者になると、早朝に出かけて日が暮れるまで外で働き、耕作し収穫し植樹し雑草を抜き、マメやアワを大量に生産するので、マメやアワが多くなって人民たちの食糧は充足するのである。

かように賢者を用いれば、

内有以食饑、息労、将養其万民。外有以懐天下之賢人。

内には以て饑(うえ)に食らわし、労(つかれる)を息(いこ)わしめ、その万民を将養する有り。外には以て天下の賢人を懐くること有り。

国の中では飢えたひとに食事をさせ、疲れたひとに休息を与え、何万もの国民を養っていくことができるし、国の外では天下の賢者たちに我が国を好評価してもらえるようになるのである。

賢者を大切にしましょう。

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「墨子」巻二「尚賢」(賢を尚(たっと)ぶ)中篇より。相変らず墨子先生はエリートにキビシイなあ。

賢者は大切にするとメシが腹いっぱい食えるようになるらしいので大切にすべきですが、賢者になると早起きしなければならなくなるので、肝冷斎族からは賢者が出現しないのである。ああ今夜もなんやかやで夜が更けてしまいました。

 

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