捕まる。これだけ追い込まれたらひたすら学問に打ち込むこともできるカモ。
貧乏はいいことである。
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商賈宜於富。富則利息益生。
商賈は富めるに宜し。富めばすなわち利息ますます生ぜん。
商人は富裕なのがよろしい。富裕になればなるほど、(元本が大きくなって)利息もどんどん増えるからである。
これに対して、
僧道宜於貧。貧則淫悪少至。
僧道は貧しきに宜し。貧しければすなわち淫悪至ること少なからん。
僧侶や道士は貧乏なのがよろしい。貧しければ貧しいほど、けがれた悪事から離れられるからである。
貧乏で腹を減らして動くのイヤだから座禅でもしていれば、自然に修行になります。
ところで、
儒者宜不貧不富、不富則無以汨没性霊、不貧則可以専心学問。
儒者は貧しからず富まざるに宜し。富まざればすなわち以て性霊を汨没する無く、貧しからざればすなわち以て学問に専心すべければなり。
儒者は貧乏でも無いし富裕でも無い、というのがよろしい。富裕でないなら(遊び惚けて)本来の精神を失ってしまうことが無いし、貧乏でないなら(生活のために自分を失わなくてもいいので)ひたすら学問にはげむことができるからである。
利息増えてもしようがないし、ひたすら学問にはげんでもおもしろくなさそうなので、結局肝冷斎族のできることを考えれば、貧乏が一番よいことは明らかである。
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「履園叢話」七・臆論より。この数日気温差が激しいので風邪ひいたかも知れません。一段と動きが鈍く気力はもうマイナスの領域に入りつつあるのである。