ブタは昼寝もする高等ドウブツでぶ。侮ってはなりません。モグはどうかと思うが。
とにかく昼間が眠すぎる。どうしようもない眠さで、居眠りしたが、夜もかなり眠い。・・・という間にも、世界はどんどん危険になってきましたよー。
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平和主義を唱えた墨子のお話です。
孔子の弟子である子夏の弟子が、墨子と論争した。
子夏之徒、問於墨子、曰君子有闘乎。
子夏の徒、墨子に問うて曰く、「君子に闘有りや」と。
子夏学派の者が、墨子先生に質問した。
「りっぱなひとが闘争することはあるのですかな?」
墨子先生曰く、
君子無闘。
君子に闘無し。
「りっぱなひとは闘争しませんよ」
子夏学派のひとが首を振って言った、
狗豨猶有闘、悪有士而無闘矣。
狗豨(く・き)なお闘有り、いずくんぞ士にして闘無きこと有らん。
「狗」(く)はもちろんイヌですが、「豨」(き)はブタ、イノシシの類。
「イヌやブタでも闘争しますよ。どうして自由民でありながら戦うべきときにも闘争しないということがありましょうか」
ほんとですよね。
ところが、墨子先生は悲しそうな顔をして、子夏の徒を指さしておっしゃった。
傷矣哉。言則称於湯文、行則譬於狗豨。傷矣哉。
傷(いた)ましきかな。言はすなわち湯・文を称し、行はすなわち狗・豨に譬う。傷ましきかな。
「ああー、なんとかわいそうな人たちなのでしょうか! 孔子の弟子筋のみなさんは、コトバではいつも殷の初代・湯王や周の初代・文王の徳による統治のことをほめそやしているのに、行動についてはイヌやブタを比較するのです。ああー、なんとかわいそうな人たちなのでしょうか!」
以上。
これはおそらく公開の場での議論だと思われます。これで終わりなので墨子先生が論争に勝ったように見えますが、実際は子夏学派のひとがイヤな気持ちになってもう議論するのを止めただけだと思いますよ。
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「墨子」巻十一「耕柱第四十六」より。
ブタと比較してどこがいけないのでぶかー!おいらたちブタを―――いけね、正体バレるとマズい―――いや、ブタちゃんはかわいいドウブツでぶぞ。