なかなか休場しないぶた力士。自由・平等・博愛なので誰にでも負けるのが特徴。
本日のツラいシゴトは来週回しとなり、もうどうでもいいや。
みなさんの気に入ってもらおうと思って普段は耳障りのいいことばかり言っているわたしですが、それもどうでもよくなってきました。
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春秋時代のこと、斉の景公が賢者・晏嬰に問いました。
昔吾先君桓公、従車三百乗、九合諸侯、一匡天下。
昔、吾が先君・桓公、従う車三百乗にして諸侯を九合し、天下を一匡せり。
「むかし、わしのおやじの桓公は、三百台の戦車を率いて、諸侯を集めて、天下の秩序を正したのであった。
そして、
今吾従車千乗、可以逮先君桓公之後乎。
今、吾従う車千乗、以て先君・桓公の後に逮(およ)ぶべきや。
今やわしは戦車一千台を率いておる。これなら、おやじの桓公のあとに、なんとか届きそうなところまで来たかなあ」
これを聞きまして、晏嬰さまは「ほう」と応えてニヤニヤされまして、曰く、
桓公従車三百乗、九合諸侯、一匡天下者、左有鮑叔、右有仲父。
桓公従う車三百乗にして諸侯を九合し、天下を一匡せしは、左に鮑叔(ほうしゅく)有り、右に仲父(ちゅうほ)有りしなり。
「桓公さまが三百台の戦車を率いて諸侯を集め、天下の秩序を正したときには、その左に賢者・鮑叔さま、右に名宰相の管仲さまがおられ(て輔佐されてい)ました。
ところがですなあ、
今君、左為倡、右為優。
今、君、左は倡たり、右は優たり。
今、殿のまわりを見回しますと、左には歌手、右には芸人が侍っておりますなあ」
「むむ・・・」
「さらにさらに、
讒人在前、諛人在後。
讒人前に在り、諛人後えに在り。
讒言をするやつが前におりますなあ。へつらうやつが後ろの控えておられますなあ」
「もうよい、止めてくだされ」
と言いましたが、止めてくれません。
又焉可逮桓公之後者乎。
またいずくんぞ桓公の後に逮ぶ者ならんや。
「どう考えても、桓公さまに届きそうなところにいる方とは、見えませんがなあ」
景公は押し黙ってしまった。
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「晏氏春秋」巻二・問下。これ、むかしの君主制度のもとですから、景公が諫言されているんですよ。今日はパリ祭ですが、国民主権のもとで、右に歌手、左に芸人、前に讒人、後ろに諛いびとを侍らせているのは、いったい誰か。おわかりになりますよね、主権者さま。