平成29年5月26日(金)  目次へ  前回に戻る
「ぶーん」ほんの数か月前、まだ花も咲かないころは「月二回出勤で●万円」とか天下り斡旋に大騒ぎしてたじゃないですか。いまは「面倒見」だそうで、一面に花盛り。

やっと週末。さあ「貧困調査」にでもボランティアで行くか、と思ったが、健康的に心臓がツラいことを忖度して断念します。それにしても一月には「天下り斡旋」が今月は「面倒見」か。メディアのひとたちのあたまの中はどうなっているのかほんとに忖度ができません。

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春秋・斉の国。

景公之時、饑。晏子請為民発粟、公不許。

景公の時、饑えたり。晏子、民のために粟を発することを請うも、公許さず。

景公の治世に、飢饉が起こった。宰相の晏嬰さまは蓄えられていた穀物を人民たちのために配給することを要請したが、景公は了解しなかった。

いちばんトップから強い意思が示されたんで、断念しました。

その日は引き上げた晏嬰さまですが、後日、公に、余暇にお使いになる施設として「路寝の台」(旅寝の展望所)を作られてはどうかと言上した。

「そちがそんな提案をしてくれるとはうれしいぞ」

と景公はにこにことその提案を了解した。

そこで、晏嬰は

令吏重其賃、遠其兆、徐其日而不趨。

吏をしてその賃を重くせしめ、その兆を遠くせしめ、その日を徐(おもむ)ろにして趨ならざらしむ。

役人に命じて、その土木作業に従う者の賃金を高くさせ、台を造る区域を遠いところにさせ、作業日程をゆっくりにして急がせないようにさせた。

「まだかな」

と景公は楽しみにしておられたが、ようやく

三年台成而民振。

三年にして台成り、民振(にぎわ)えり。

三年かかって展望台は完成した。この間に、人民たちの景気もよくなった。

故上悦乎遊、民足乎食。

故に上は遊に悦び、民は食に足れり。

かくして、君主はレクリェーションが出来ておよろこびになられ、その一方で人民たちは飢饉を乗り越えることができたのであった。

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「晏氏春秋」巻三・雑上より。不透明な忖度がなされているぞ。マスメディア的にはこれはどうなのだろう。

 

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