成29年2月28日(火)  目次へ  前回に戻る

モグも世俗の地上の風に当たると固まってしまう傾向がある。

今日はえらいひとと飲み会あって、焼酎少し飲んだので眠いんである。肝冷斎一族はゲコの横好きですから、おいら半人前の半冷斎も例外ではないのだ。

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福建・福清県でのこと。

有童子入一石洞、洞中有石、無故自動。

童子有りて一石洞に入るに、洞中に石有り、故無くして自ら動く。

童子が鍾乳洞に入り込んだが、洞内に誰も動かしてないのに自動的に動く石があるのに気がついた。

「なんでちゅかね、これは」

興味を覚えた童子は、

持帰鑿開、見一白兎在焉。

持ち帰りて鑿開するに、一白兎の在るを見る。

その石を家に持ち帰って、無理やり穴を明けて石をこじあけてみると・・・一羽の白いウサギが出てきたのであった。

「うひょう。変なものが出てきてちまいまちたね」

童子は不思議に思いながらも、

取視乃活者、置之地、能走数歩、有頃僵仆。

取りて視るにすなわち活すれば、これを地に置くに、よく走ること数歩、頃有りて僵仆せり。

(ウサギを)取り上げて見てみたら、(びくんびくんと)動いたので、それを地面に置いたところ、逃げ出そうとして数歩走り、しばらくしてから見てみると硬直して倒れていた。)

為見風也。漸漸如石而後化成。

風を見るためならん。漸々として石の如くに化成す。

外気の風に吹かれて、だんだんと石のように変化したのであろう。

以上、福建のひと、何璧の言うところである。

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明・銭希言「獪園」巻十六より。

社会の冷たい風にさらされると、おいらのようなコドモ心の持ち主は、あっという間に石になってしまうでしょうね。社会はコワいなあ。

 

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