ぶた博士がついに開発したぶたロボット。最後のパーツである耳をはめこむと、暴走し始める。おひつごはんなどを与えるとその能力を最大限に発揮して、想像以上に大量のエネルギーを体内に蓄積するのである。ただし出力についてはかなり低いと想定されている。
今日もじっとしてがんばったのに、まだあと二日もある。しかもそのあと土日を挟んで、また来週が来るのである。「生きること」の苦しさに、やけくそにもなってくるではありませんか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
むかしむかし、南風原(はえばる)の神里村に、巫女(のろ)がおりまして、
当懐娠時忽欲食阿檀実。
懐娠の時に当たりて忽ち阿檀の実を食らうを欲せり。
妊娠したとき、「アダンの実が食いたい」と思いついたのだそうでございます。
そこで、その兄に「アダンの実が食いたい、食いたい、食いたい〜」と告げた。(沖縄では妹が祭祀を、兄貴が行政実務を担うのであるが、妹の方が権威があることになっている)
しかし、
兄聞之不与他食之。
兄、これを聞くも、他(かれ)に与えてこれを食わしめず。
兄貴はこれを聞いても、何の事情があったのか、アダンの実を与えて食わせてやらなかった。
すると、妹の巫女(のろ)は
「きーーーーー!」
と怒ったのである。
怒って言うに、
阿檀微物也。何有所吝惜而不与之耶。今吾深呪詛之。
阿檀は微物なり。何の吝惜(おし)むところ有りてか、これを与えざらんや。今、吾深くこれを呪詛せん。
「アダンは大したものではないではないか。いったい何が惜しくてあたしのところに持って来ないんだね。ええい、あたしは呪うてやるぞえ」
と言いまして、目をぎらぎらさせて、何かが乗り移ったかのように言いました。
後必不許阿檀結子也。
後必ず阿檀の子を結ぶを許さざるなり。
「今後、アダンは実を結ぶことを許さざるなりー。
ひっひっひっひ〜」
そうしましたところ、ああ、なんということでしょうか、
自此之後、此地阿檀甚夥而無有結子矣。
これよりの後、この地、阿檀はなはだ夥しけれども、子を結ぶ有ること無し。
それ以降、この地にはアダンはたいへん多いのであるが、実を結ぶものは一つも無くなったのである。
そこで、今にいたるもこの地にはアダンの実がならない。
なお、
以此観之、巫女亦非常人也哉。
これを以てこれを観るに、巫女また常人にあらざるなるか。
このことから考えてみるに、この巫女(のろ)は、どうも普通のニンゲンではなかったのではないだろうか。
まったくこんな能力があるなら、もっと建設的なことに役立てればいいのに・・・だが、封建の世においては、女性には活躍の場が与えられなかった、のでありましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
沖縄・鄭秉哲等「遺老説伝」巻一より。
おいらももっと建設的なことすればいいんですが、じっとする、とか、黙っている、とか、うんうんとうなずくだけ、とか、そういうことしかできないんです。活躍の場があるとかないとかではなく、能力面で封建的なんです。こんなので来週もゲンダイ社会で生きて行くのはムリがあるといえよう。