明日からプロ野球もキャンプイン。しかし、暖かくなって雪が融けると、もっと冬眠しててほしいやつも起きだしてくる。
二日もがんばったのにまだ火曜日。昼はあたたかいけど夜は寒くて、イヤになってきます。
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寒いですね。おいらの心の中には雪が降ってきました。
その心象風景の中、お、あちらから一休さんが来るぞ。
よし、いたずらしてみよう。
おいらは(心の中に)降り積もった雪をこねて雪玉を作りますと、一休さんにぼかんとぶつけてみた。
「こら、なにをするのじゃ」
とお叱りになるところを、ぐぐっとその袖を掴まえまして、
「一休さん、一休さん、おいらのこの雪だんごの中のウツウツとした心、どうか助けてくだちゃいな」
とすがってみます。
すると一休さんは詩偈を作って曰く、
「おまえさんの世界は、
乾坤埋却没門関、 乾坤埋却し、門関を没して、
収取即今為雪山。 収取して即今、雪山と為る。
天も地も埋め果てて、門も関所も無く、
あらゆるものが収めとられて、あっという間に雪の山の中に入ってしまった。
みたいじゃな」
「そうなんです。雪だんごの中でかじかんでいるんです」
「すべてが雪だんごの中に入ってしまったとは、それはよかったなあ」
「え? それはよいことなんでちゅか?」
「よいことである。
狂客時来百雑砕、 狂客ときに来たりて百に雑砕せば、
大千起滅刹那間。 大千も刹那の間に起滅せん。
須弥山を中心に四方に大陸があり、太陽が昇り、月が沈む一つの世界がある。これが一人のブッダが教化すべき「一世界」である。「太陽系」みたいなもんですな。これを千個を集めたのが「小千世界」で、それを千倍したのが二千世界、さらに千倍したのが「三千大千世界」。「十億個の太陽系」みたいなもんですね。これが存在する宇宙の一単位となる。一方、「刹那」(せつな)は時間単位で、一回指を弾く、それが六十五刹那だ、というのですから、非常に短い時間ということである。
無茶苦茶なやつがやってきて、雪の団子を「ぼかん」とバラバラに砕いたら、
三千大千世界も「あっ」という間にぶっこわれる。
ぜーんぶ、きれいさっぱりじゃ」
「なるほど。わーいわーい、きれいさっぱりでちゅー」
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と、本日は一休さんに教えられて楽しく寝ることにいたちまーちゅ。・・・が、明日また出勤するとダメに戻るんだろうなあ。
一休宗純「狂雲集」より「雪団」(雪のたま)。