アフリカは暖かくて飽きてきたなあ。
おいらは寒いのであたたかいところへ行きたいなあ。
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梟逢鳩。
梟、鳩に逢う。
フクロウが何処かに行こうとして、ハトに逢いましたそうな。
ハトは問うた、
子将安之。
子まさにいずくに之(ゆ)かんとす。
「ポッポ、先生、どこに行かっしゃる?」
フクロウ答えて曰く、
我将東徙。
我まさに東に徙(うつ)らんとす。
「わしは東の方に移り住むことにしたのじゃ、ホッホー」
ハト、
何故。
何の故ぞや。
「ポッポ、どうしてまた移り住もうと思われたのじゃ?」
フクロウ、
郷人皆悪我鳴、以故東徙。
郷人みな我が鳴を悪む、故を以て東に徙らんとす。
「近所のやつらが、みんな、わしの鳴き声がイヤがるので、わいは東の方に移り住むことにしたのじゃ、ホッホー」
「ポッポなことよなあ・・・」
ハトは嘆息して、言った。
子能更鳴可矣。不能更鳴、東徙猶悪子之声。
子よく鳴を更(か)うれば可なり。鳴を更うあたわざれば、東に徙るもなお子の声を悪まん。
「先生はその鳴き声をお変えになられればいいのです。鳴き声を変えられないならば、東の方に移り住んだとて、やはり先生の声はイヤがられるでしょう」
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「説苑」巻十六談叢・四十八章。これはヘイトになる?