明るいところでは勉強しなければならないため、地下活動がより望ましい。
昨日・今日はときおり地上にも出てきて日光を浴びたが、また明日から地下の暗黒の中での生活だなあ。
暗黒の世界はイヤではないんです。孤独の楽しみに耽ることができますし、暗いから本も読めません。できる勉強はすでに記憶している文章を暗唱するぐらいですから、原則として勉強しなくていいし。
・・・・・・・・・・・・・
紀元前3世紀、闞澤(かん・たく)、字は徳潤は、呉の会稽のひとであった。
家世農夫、至澤好学、居貧無資。
家世農夫にして、澤に至りて学を好むも貧に居りて資無し。
先祖代々百姓であったが、闞澤に至って学問が大好きになった。しかし、貧乏なので学資が無い。
そこで
常為人傭書、以供紙筆。
常に人の傭書するところと為り、以て紙筆を供す。
いつも他人に頼まれて有料で筆写するシゴトをすることにして、これで紙代や筆代をまかなった。
所写既畢、読誦亦遍。
写すところ既に畢りて、読誦また遍(あまね)し。
筆写した文書は書き終わるまでにはすべて暗記してしまうので、勉強にもなる。
このようにして学資を集め、
逐師論講、究覧群籍、兼通暦数。
師を逐して論講し、群籍を究覧し、兼ねて暦数に通ず。
これはと思う師匠に弟子入りして多数の書籍を調べ読み、また天文・暦や数術のことにも詳しかった。
やがて学問を以て有名になり、孫権に仕えて、中書令侍中太子太傅に任ぜられた。
・・・・・・・・・・・・・
たくさん覚えていると暗闇でもたくさん勉強しないといけないので、たいへんみたいです。