どこかに出口はなイカ。
仕事はいろいろ迷走したが、なかなか出口が見つからない。そして一週間は、月曜日がやっと終わっただけである。
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広東の広寧県の北五十里(約30キロメートル)に円嶺山という山があるのだそうでございます。
横亙十五里。
横に十五里に亙(わた)る。
幅9キロぐらいの広がりを持った山だ。
この山には、そこかしこに「坑」(ここでは横穴をいうようである)があって、
凡九十有九。坑坑相似。
およそ九十有九。坑坑相似たり。
その数すべてで九十九。どの坑もよく似ている。
このため、自分のいる場所がわからなくなってしまい、
失道必三日乃得出。
道を失えば必ず三日にしてすなわち出づるを得。
道に迷ったら、必ず三日間、迷い続けて山から出てこれないのである。
それでも
采筍者一一記其処。
筍を采る者、一一その処を記す。
山中でタケノコを採るのを生業としている者は、一つ一つの穴をすべて記憶している。
この穴を「迷坑」(迷い穴)と呼び、土地の歌がある。
莫采広寧円嶺筍、 采るなかれ、広寧・円嶺の筍、
迷人九十九條坑。 人を迷わす、九十九條の坑。
広寧の円嶺山でタケノコ掘りなどするではないぞ。
ひとを迷わせる横穴が、九十九本もあるのだから。
ああ、この山に迷っても、なお三日にして出づることができるのだ。世間の網の中に迷って、生を終わるまで出てこれない者の、なんと多いことか。
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清・屈大均「広東新語」巻四より。この歌はどうもヒワイな歌ではないかという気がしますが、如何。