かっぱがはなみずをくれるという。体にいいカモ知れない。
本日は20年前の同窓会的なもの。オウム事件とか阪神大震災のころのひとたちです。みな当時は若かったのですが、滋養強壮剤でも飲まないといけない年になっていた。
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唐の時代のことでございます。
郎中の陸紹が言うに、
一人浸虵酒。
一人、虵を酒に浸す。
あるひと、ヘビ漬けの酒を造っていた。
このために、
前後殺虵数十頭。
前後、虵数十頭を殺せり。
以前から合わせて数十匹のヘビを殺していたのである。
ヘビの数詞は「頭」なんですね。
一日自臨甕窺酒、有物跳出、齧其鼻将落。
一日、自ら甕に臨んで酒を窺うに、物有りて跳ね出で、その鼻を齧りてまさに落ちなんとす。
ある日のこと―――
酒の浸かり具合を見ようと甕のふちから中を覗き込んだところ、突然なにものかが飛び出してきて、そのひとの鼻にかじりついた。ほとんど鼻を食いちぎらんとする勢いであった。
「うわあ!」
その人、それをはねのけた。
ぽとん。
と、それは床に落ちた。
視之乃虵頭骨。
これを視るにすなわち虵の頭骨なり。
それをよく見ると、なんとヘビの頭であった。酒の中で崩れてすでに骨になっていたものである。
それが飛び出してきて、そのひとに食いついたのだ。
そのひとの鼻はもうほとんど引きちぎられていたが、
因瘡毀其鼻、如劓焉。
瘡によりてその鼻を毀ち、劓(ギ)の如し。
その傷からついに鼻は壊れてしまい、まるで鼻斬りの刑にあったひとのように、鼻孔が露出してしまったのであった。
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唐・段成式「諾皐記」(「酉陽雑俎」所収)より。
これだけ強いヘビを漬けたお酒なら、滋養強壮間違いなし・・・でございましたでしょうなあ。→(参考記事)