木曜日まで終わった。今日はむかしの仲間数人とお好み焼き。また限界越える。おいらコドモだから小食なのにオトナみたいに食べちゃうから・・・。苦しい。
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唐のころ、李舟というひとがいました。彼には弟が一人いたのですが、若いのに長患いで苦しんでいた。
或説蛇酒可療。
或るひと説くに、蛇酒療すべし、と。
あるひとが言うに、「その病はヘビ酒で治るのではないかのう」と。
そこで、李舟、ヘビ酒を造ることにした。
「最も効果の高いのは黒ヘビ酒じゃ」
といわれたので、
「黒ヘビの、強いのを手に入れねばな。弟のために、な」
乃求黒蛇。
すなわち黒蛇を求む。
そこであちこちに依頼して黒いヘビを求めた。
貴重な黒ヘビをようやく手に入れると、
「簡単に死なせては生命力があまり出ないというでな。我が弟のために苦しんで死んでもらわんとな」
生覆甕中、加之麹櫱。
甕中に生覆し、これに麹櫱を加う。
生きたまま甕の中に入れ、酒コウジを加えて蓋をした。
ヘビは中で大いにあばれているようである。
「ふふふ、生命力の強いヘビほど強いクスリになるというでな。これはよいヘビを手に入れたようじゃ。めでたいめでたい」
数日、蛇声不絶。
数日、蛇声絶せず。
数日の間、甕の中からはヘビののた打ち回る音が聞こえ続けていた。
が、ようやくその音も断続的になり、甕を振ったときなどに酒が沁みて苦しいのであろう、びくりびくりと動くだけとなり、さらにはそれも途絶えた。
一か月ほど漬け込んだところで、蓋をとってみると、
香気酷烈。
香気酷烈なり。
ぷん、と激しいにおいがした。
「これはよう漬かったようじゃ。さあ、弟よ、飲むがよいぞ」
「あい、兄上」
引満而飲。
引満して飲ましむ。
さかずきにいっぱいに注いで飲ませた。
ところが、
「う、兄上、これは・・・」
弟は飲み干すと苦しみはじめ、
須臾、悉化為水。
須臾、ことごとく化して水と為る。
突然に、どろどろに溶けて液体化しはじめたのである。
あれよあれよという間に、
「ああ」
李舟は嘆いたが、弟はもう完全に液化して
唯毛髪存之。
ただ毛髪これを存せり。
液体の中にただ毛髪だけが残っていた。
という。
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唐の翰林学士・李肇が開元年間(713〜741)から長慶年間(821〜824)にかけての事件、風俗、文物など205条を記録した「唐國史補」より(「太平廣記」巻458所収)。
このヘビ酒でもいいので、腹の中のを溶かさないと苦しい。