こにゃつは本質的にブタと思われるのに、どうして表面上蚊取り線香立てのふりをしているニャか?
また明日が来る。あと一週間ぐらい休めば元気になるかも知れないけど・・・。
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さて、古代の思想家・楊朱さまには弟さんがいたんだそうです。
楊朱之弟曰布。
楊朱の弟、布と曰う。
楊朱の弟は、布という名前であった。
彼は兄の朱と同居していたらしいが、ある日、
衣素衣而出。
素衣を衣(き)て出づ。
白い服を着て出かけた。
ところが、途中で
天雨。
天、雨ふる。
天気が雨になった。
このため、楊布はずぶ濡れになってしまい、出先で着替えを借りた。
解素衣、衣湽衣而反。
素衣を解きて、湽衣(しい)を衣て反(かえ)る。
白い服を脱いで、黒い服を着て帰ってきたのである。
すると、その楊布の姿を見て、
其狗不知、迎而吠之。
その狗、知らざれば、迎えてこれに吠ゆ。
楊家のイヌは、それが楊布だと気づかずに、家に入ろうとする布に向かって吠えかかった。
「御主人さまだということがわからないのか!」
楊布怒、将撲之。楊朱曰、子無撲矣。
楊布怒り、まさにこれを撲(う)たんとす。楊朱曰く、「子、撲つなかれ」と。
楊布は怒って、イヌをぶんなぐろうとした。それを見ていた楊朱が言うに、
「これ、おまえ、ぶんなぐってはいかんぞ」
と。
楊朱は続けて言った。
子亦猶是也。向者使汝狗白而往、黒而来、豈能無怪哉。
子もまたかくのごときなり。向者(さき)に汝の狗をして白くして往かしめしに、黒くして来たれば、あによく怪しむ無きか。
「おまえも同じようなものだぞ。もし、まずおまえの白いイヌにどこかに使いに行かせたところが、黒くなって帰ってきたら、「本当に同じイヌだろうか」と怪しまないでいられるのか?」
そう言って、楊朱は「ああ」と深いため息をついたのであった。
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「列子」説符篇より。
ニンゲンはみな、本質ではなく表面しか見ていない、ということを嘆いたのである。おいらも表面は笑ったりしゃべったりしていても、内面はもううつうつなんですよ。