思えば日々生きてあるのも不思議なこと。
飲み会。二口ほどビール飲んだだけで宴席でひと眠りする失態。おれはダメだ、ダメだ、ダメなニンゲンなのだー!
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実際の「自分」はダメで発言など許されないようなヤツですが、そいつと「肝冷斎」は違う人格だと考えまして、気にせずに今日も更新します。
明の弘治年間(1488〜1505)のある秋の日、あるひとが江蘇・呉県の名勝地である石湖に船を浮かべて、
候月而還。
月を候(うか)がいて還る。
月待ちの遊びをして、帰ろうとした。
そのとき、
遥見上方山燭籠百数。
遥かに、上方の山に燭籠の百数なるを見る。
ずっと遠くの高い山の上の方で、カンテラのような光が何百も光っているのが見えた。
「あんなところで、なぜ?」
その光は、
奕奕而上、或紅或緑、或小或大、参差不一。
奕奕(えきえき)として上り、あるいは紅、あるいは緑、あるいは小さく、あるいは大きく、参差(しんし)として一ならず。
きらきらと輝きながら山の上へ上へと昇って行くのだが、あるものは赤く、あるものは青緑、あるものは小さく、あるものは大きい、とバラバラで一様ではなかった。
それらは一列に並んでどんどん昇っていき、やがて
迨抵其巓、燈分両岐、久之紊雑而散。
その巓に抵(いた)るに迨(およ)んで、燈は両岐に分かれ、これを久しくして紊雑(びんざつ)して散じたり。
頂上らしきところまで到達すると、今度は二手に分かれて進み、それからだいぶん時間が経ってから、列を崩して入り乱れて、バラバラになって消えて行った。
なんとも不思議なことであったが、それ以外、別に何も起こらなかった。
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不思議な事件ですが、これは独立した事象ではなく、我が国で「狐の嫁入り」といわれる怪現象と同じやつではないかと思われます。
何時何処(いついづこ)とも云うことなく、おり静かなる夜に、提灯あるいは炬(たいまつ)の如くなる火、凡(およ)そ一里余も無間(まなく)続きて遠方に見ゆる事有り。右、何所(いずれのところ)にても稀に雖有(ありといへども)、蒲原郡中には折節有之(これあり)。これを児童輩、「狐の婚」と云ひならはせり。(「越後名寄」)
ただし、天気雨のことをいう「狐の嫁入り」という地方もあるよし。
が、もしかしたらUFOかも。
まことに不思議なことである。ひっひっひ。