(ドウブツ鉄道休憩中)「ゾウを食べてはいかんゾウ」
シゴトについては冗談言っている状態ではなくなってきたぞ。「辞表」か「自○」ぐらい追い込まれてまいりました。
しかしとりあえず今日は週末なので、シゴトを離れて書きます。
ちゃてちゃて。
↓これは冗談であろうか本当であろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「山海経」海内南経によれば、チャイナの南の果てに「巴蛇」という巨大なヘビがいますそうなのジャ。
巴蛇食象、三歳而出其骨。
巴蛇、象を食らえば、三歳にしてその骨を出だす。
巴蛇は象を食う。食ってから三年かけて消化して、三年後に象の骨を排泄する。
この骨には不思議な力があって、
君子服之、無心腹之疾。
君子これを服せば心腹の疾無し。
成人男子がこの骨を(砕いて)飲むと、心臓や内臓の病気に罹らなくなる。
そうなのジャ。
其為蛇青黄赤黒、一曰黒蛇青首。
その蛇たるや青黄赤黒なり、一に曰く黒蛇にして青首なり。
このヘビの体色は青か黄色か赤か黒である。あるいは、黒ヘビであるが頭だけ青いのだ、ともいう。
―――象を食べるなんて、わはは、わはは、そんなでかいヘビがいるものか。
と嗤うひともいるかもしれませんが、わしは科学者の端くれとして
「巨大ヘビはありまぁす」
と主張せざるを得ない。
なぜなら「楚辞」天問篇にもすでに
有蛇呑象、厥大何如。 蛇有りて象を呑む、その大いさやいかん。
象をまる呑みするヘビがいるという。いったいどれぐらいの大きさなのか。
と書いてありますし、晋の郭璞が曰うには、
今南方蚦蛇呑鹿。鹿已爛、自絞於樹腹中、骨皆穿鱗甲間出。此其類也。
今、南方の蚦蛇(ぜんだ)は鹿を呑む。鹿すでに爛れて、自ら樹に腹中を絞れば、骨みな鱗甲の間を穿ちて出づ。これその類なり。
現代(3世紀)、南部地域に棲息する蚦蛇ヘビはシカを丸のみにする。腹の中でシカが消化されてくると、自ら木に巻き付いてぎゅうぎゅうと自分の腹を絞りあげる。すると、そのヘビのうろこの間から、シカの骨だけがずぶずぶと出てきて、体外に排出されるのである。古代の巴蛇は、おそらくこのヘビの近縁種であろう。(「山海経注」)
と。
納得していただけましたかな?
なんと、まだ納得できない? 強情なひとジャな。では、北魏・酈道元の「水経注」(葉楡河章)に曰く、
山多大蛇、名曰髯蛇、長十丈、囲七八尺。
山に大蛇多く、名づけて「髯蛇」(ぜんじゃ)という。長さ十丈、囲は七八尺あり。
このあたりの山中には大蛇が多く棲息している。「髯蛇」(あごひげヘビ)と呼ばれているんジャ。長さは二十メートル弱、直径2メートル以上ある。
このヘビは
常在樹上伺鹿獣。鹿獣過、便低頭繞之。
常に樹上に在りて鹿獣を伺う。鹿獣過ぐるに、すなわち頭を低げてこれを繞る。
いつも木の上にいて、シカが通り過ぎるのを待っている。シカが木の下を通り過ぎると、即座に頭を下げてシカに巻き付くのだ。
巻き付いたままぎゅうぎゅうと締め上げます。
シカはボキボキと骨が折れ、内臓が潰れて死んでいきますのジャ。
有頃鹿死、先濡令湿訖、便呑、頭角骨皆鑚皮出。
有頃にして鹿死すれば、まず濡して湿めし訖(おわ)らしめ、すなわち呑み、頭角、骨みな皮を鑚(き)りて出だす。
しばらくしてシカが死んでしまうと、まずその全体を舐めて湿らせ、それから「がぶり」と丸のみにします。シカの頭の角、骨は、ヘビの皮に穴を開けて排出されてくる。
丸のみにしてから消化するまでに時間がかかり、この間、このヘビは動くことができません。
山夷始見蛇不動時、便以大竹籤籤蛇頭至尾、殺而食之、以為珍異。
山夷はじめて蛇の動かざる時を見、すなわち大竹を以て蛇の頭より尾に至るまで籤籤し、殺してこれを食らいて、以て珍異と為せり。
このあたりの山中の蛮人どもは、ヘビが動けなくなっているところを見つけると、
「うひゃひゃ」
と歓び、大きな竹を採ってきて、ヘビの口から刺しこんでしっぽまで貫き串刺しを作り、これを殺して食べる。しかしてこれを「珍味」と称しているのである。
うなぎカバ焼き食いたくなってきましたね。生物には厳しい食物連鎖の現実があるのジャ。
・・・・・・・・・・・・・・・
これだけ文献的証拠を挙げられたのでは、さすがに疑い深いみなさんでも反論はできますまい。にょろんにょろん。
←画像も遺されているのである。にょろんにょろん。