平成27年1月16日(金)  目次へ  前回に戻る

一週間こんな感じでしぼられて・・・

やっと週末じゃ! と、今日は美味いモノ食べに行って、ほんの少しばかり焼酎のお湯割りを飲んで饒舌になっていたわけだ。

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明の末ころのことです。

楊州の樊伯括なる者の家に、老いた下男がいた。

この下男、日ごろはマジメなのだが酒ぐせが悪く、そのせいで若いころより失敗を繰り返していたので、年をとってからは宴席などでもできるだけ酒に近づかないようにしていた。

その下男が

年六十、忽死。

年六十にして忽ち死す。

六十歳で、突然死んだ。

だが、

而甦。

而して甦(よみが)えれり。

そのあと生き返ってきた。

生き返って来て言うには、

「わしは本当に死んでいたのでっさあ。その証拠に、わしは閻魔さまにお会いしたのじゃ。

閻君謂我尚有百壺焼酒未尽。且放回。

閻君我に謂うに「なお百壺の焼酒のいまだ尽くさある有り。まさに放回せん」と。

閻魔さまはわしに対して、

「こやつはまだ百壺分の焼酎が足らん。その分をこなしてきてもらわねばならないから、一度追い返せ」

とおっしゃったのじゃ」

と。

これ以降、酒を辞することをせず、毎日のように焼酎を飲むようになった。

毎飲輙向叢塚問、若有呼応偶語者。

飲むごとにすなわち叢塚に向かい問うに、呼応して偶語する者有るがごとし。

飲むと(ひとしきりひとに絡んだあと)、必ず草深い墓場に行き、墓の中に何やら言葉をかける。すると何かが彼に答えるらしく、なんやら会話しているようなのである。

酒癖が悪い上に墓の中の者と不気味な会話をしているというので、

人亦畏不与言。

人また畏れてともに言わず。

ひとびとは彼を避けて、口を利こうともしなかった。

そうこうしているうちに、

月余竟死。

月余にしてついに死す。

ひと月あまりしたら、今度は本当に死んでしまった。

予言どおりに百壺飲み終えたのかどうか、誰も数えていなかったのでそれはわからない。

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清・鄭仲夔「冷賞」巻五より。

わしはあまりアルコールを嗜みませんのでしてな。わずかに焼酎だけは時おり嘗める程度。生まれてから今までの分足し合わせても一壺分も飲み終えていないであろう。少なくとも百壺飲まないと追い返されてくるのだとすると、まだすごい年数がかかると思われます。困ったことじゃなあ。

 

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