←しごとつらいので生活も荒れてきたぜ。
あと一日・・・。この数日、しごとつらい。ここ数年で五回目ぐらいにいちばん追い込まれてきたかも。やっぱりおいらにはムリなことが多すぎたのでしょう。消耗劇しい。
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ところでみなさん、夢を見ておられますかー。おいらは見ておりますよ。この人生という悪夢を、な。いっひっひー。
さて、古代、夢には六種類あったらしいんです。五経の「礼経」とされることもある(←要するに権威がある、というぐらいの意味だと思ってください)「周礼」の「占夢」(巻二十五)によりますと、
一曰、正夢。
一に曰く、「正夢」(せいむ)。
これは「まさゆめ」ではなく、「正常な夢」のこと。
注にいう、
無所感動、平安自夢。
感動するところ無く、平安にして自ずから夢む。
特に精神状態が不安定になるということもなく、平安な状態で見る自然な夢のことである。
ということで、
@ 正常で平安な夢である。
二曰、噩夢。
二に曰く、「噩夢」(がくむ)。
「噩」は「驚愕」の意。
A びっくりしたときの夢である。
三曰、思夢。
三に曰く、「思夢」。
注にいう、
覚時所思念之而夢。
覚むる時に思うところ、これを念じて夢むなり。
覚醒しているときに思ったことが気になって見る夢である。
B 気になっていることをみる夢である。
四曰、寤夢。
四に曰く、「寤夢」(ごむ)。
「寤」は目覚めていることをいうことばですが、「寤夢」は目覚めてみるいわゆる白昼夢をいうのではなく、注によれば
覚寤時道之、睡而夢也。
覚寤の時にこれを道びき、睡りて夢むなり。
目覚めているときに見るように動機づけておいて、眠ってから見る夢である。
ということだそうです。翻訳が難しいですが、
C 見ようと思ってみる夢である。
五曰、喜夢。
五に曰く、「喜夢」(きむ)。
これは
未睡心説、睡而為夢。
いまだ睡らざるの心説(よろこ)び、睡りて夢を為すなり。
「説」は「悦」と同じ。
寝る前の精神状態がウキウキしていたので、眠ってから見る夢である。
とのこと。
D ウキウキしてみた夢である。
六曰、懼夢。
六に曰く、「懼夢」(くむ)。
注にいう、
恐懼而夢。
恐懼して夢むなり。
おそれおののいてみた夢である。
E 恐れおののいてみた夢である。
以上。
この分類は、夢の内容ではなく、夢を見た原因によって分類されているのですな。
そうやって見る夢に、「吉夢」(よい夢)と「悪夢」(悪しき夢)がありました。
古代、周王朝のころ置かれていた「占夢官」という役人は、冬の終わりになりますと、王さまに
「どのような夢をご覧になりましたか?」
と訊ねます。
王さまがちゃんと「吉夢」を見ていればいいのですが、そうでない場合には、
「それではこれをさしあげまする」
と
献吉夢于王。
吉夢を王に献ず。
占夢官は、王さまに自分が見た「吉夢」を献上します。
すると
王、拝而受之。
王、拝してこれを受く。
王さまは拝礼をして、これを受け取る。
「いい夢をありがとう」
とお礼まで言ってもらえたのです。
乃舎萌于四方、以贈悪夢。遂令始難欧疫。
すなわち「萌」(ぼう)を四方に舎(お)き、以て悪夢を贈る。遂に令して始めて欧疫を難す。
諸説ある記述ですが、「萌」(ぼう)はお供えモノ、「難」は「儺」(ダ・ナ。「おにやらい」)のことである、という説を取ります。
それから、四方の方角に御供え物を置いて、その彼方に「悪夢」を追いやってしまう。その後で、(「方相氏」という役職の者に)命令して、悪い疫病を追い払ってしまう儀礼を行わせる。
のでございます。
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後漢・鄭玄「注」、唐・賈公言「疏」の「周礼注疏」による。(3年越しでこのときの宿題を果たしまちたー!あのころたいへんだったんだよなあ。わたしでなく日本が)
この「占夢官」のしごとなら、おいらにももしかしたらやれるかも・・・。