←意味は下の方に書いてあります。「まや」は沖縄方言のネコ。沖縄のネコ(島ネコ)はでかい。波照間とか行くともっとでかい。特に波照間のネコは生態系の中でイヌの代わりになっているのだそうで、イヌぐらいある(のも確かにいた)。
今日は東京地方暑かった。いよいよ猛暑が来ました。カエルどもはもうカンピンタンであろう。
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お暑い話をいたします。
沖縄のお話です。
自往昔世与那城郡安勢理村人家悉不蓋屋頂。
往昔の世より、与那城郡安勢理村の人家、ことごとく屋頂を蓋(がい)せず。
むかしむかしからずっと、与那城(よなぐすく)郡の安勢理(あぜり)の村では、どの家にも屋根が無い。
与那城の安勢理村は今でもうるま市の勝連のあたりに地名が遺っております。
それを聞いておえらいひとは
「陽が当たって暑くてかなわんではないか」
と疑問に思った。
「まったくでございまする、が・・・」
と早速モノシリが答えた。
曾有蓋之、暴風陡起吹落屋頂。
かつてこれに蓋する有るも、暴風陡起(とうき)して屋頂を吹き落とす。
「陡」(トウ)は「にわかに」「突然に」の意。
「むかしはこの村でも家々には屋根があったのでございます。しかし、あるとき、突然に起こった暴風が、家々の屋根を吹っ飛ばしてしまいました。
それ以来、
迄于今世不蓋屋頂。
今の世にまで、屋頂を蓋せず。
現在に至るまで、屋根というものがないのでございます」
「なーるほど、そういうことじゃったか」
おえらいひとは納得したのであった。
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沖縄・鄭秉哲等撰「遺老説伝」巻三より。
みなさんは納得できましたか? わたしは十分納得のいく説明だと思いました。また飛ばされるかも知れないものを作るのはめんどくさいし合理性がないですからね。暑いときは家の中ではなくがじゅまるの木蔭でごろごろしていればいいし。ああその上に税金と戦争が無かったらなあ・・・。
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冒頭、おもろちゃんが歌っている琉歌は辻の遊郭あたりで流行ったものであろうといわれますが、
玉黄金(たまくがに)無蔵(んぞ)が 足音(あしと)しち来(き)やこと おぞでかき抱けば まやがみやお (作者不詳)
「無蔵」(んぞ)は男女ペアの恋仲の女の方のこと。
玉や黄金のように愛しいむすめが
かすかな足音をさせて来てくれたのだと
思って「それ」を掻き抱いたんだ―――
「それ」はネコでした。ネコは「にゃお」と鳴いて逃げて行ったよ。
あほである。