今日も寒い。頭もしんしんと痛む。
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先公(父親のことです。先生ではない)の話によると・・・。
―――宣徳年間(1426〜1435)、わしがまだ府学に在学していたころ、ある日、用事があって郡の役所に出向いたときのことじゃ、
当未申時、忽見天裂於西南、幾十余丈。
未・申の時に当たって、忽ち天の西南に裂くることほとんど十余丈なるを見る。
午後四時ごろであったが、突然、天が西南の方向で裂けたのだ。地上からは、裂け幅は数十メートルぐらいに見えた。
この人たちが天の高さをどれぐらいと考えていたのか知りませんが、彗星の長さを「一丈余」と表現しているのを見たことがあるので、「十余丈」=数十メートルというのはかなりの幅であると思われる。
この時、
晴碧無翳、見其中蒼茫深昧、不可窮極。
晴碧にして翳無く、その中は蒼茫として深昧なるを見るも、窮極すべからず。
空は晴れ渡って青く、一片の雲もかげりも無かったが、天の裂けた向こう側には、青黒くぼんやりして、深く暗そうな空間が見えたが、その果てを見極めることはできなかった。
良久乃合。
やや久しくしてすなわち合す。
しばらくすると、裂け目は合わさり、元通りになった。
―――同行していた同級生たち、また郡役所の職員ら、数百人がみな見たことであった。
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明・祝允明「志怪録」より。次元の裂け目というものであろうか。→参考。おそらくこれと同じ天象ではなかろうか。○天開眼
ちなみに、今日はばりばりと天が裂けるかと思うぐらい寒かった。北日本ではもう裂けて、激しい吹雪であるという。
・・・という中ですが、以前から欲しかった祝允明の「志怪録」を入手。へへへ、たまんないぜ。これまでは「古今譚概」などに抄録されているのをニヤニヤして読んでいただけなので、全体に目が通せるようになったのはメデたい。ニヤニヤ→ニタニタしてしまいます。