三日ぶりになります。三日間「ぶうぶう」とブタのふりをしてあちこちに隠れていたが、ついに捕まってやつらに連行されることになりまちた・・・。
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戦国の時代、斉の荘公が馬車に乗って狩猟に出かけた。
その途上に、
有一蟲挙足将搏其輪。
一蟲の足を挙げてまさにその輪を搏(う)たんとする有り。
前足を挙げて、馬車の車輪に挑みかかろうとする虫がいたのだ。
荘公、御者に問うた。
此何蟲也。
これ、何の蟲ぞや。
「これは何という虫だ?」
御者、答えて曰く、
此所謂蟷螂者也。其為蟲也、知進而不知卻、不量力而軽敵。
これいわゆる蟷螂なる者なり。その蟲たるや、進むを知りて卻(しりぞ)くを知らず、力を量らずして敵を軽んず。
「これは、例の「かまきり」という虫でございますよ。
この虫の性質というのは、進むことは知っているが退却することを知らない。自分の力を量ることができず、敵を軽くみて挑みかかるものなのでございます」
わははは。
いひひひ。
おほほほ。
読者のみなさまのわらいごえが聞こえてまいります。
かまきりが己れの力もはからずに、巨大な馬車と戦おうとする。まったくもってオロカなこと。
「そんなことみんな知っているよ」
「肝冷斎、最後のことばと言うてもったいつけて話しだした。肝冷斎はずいぶん勉強してこのことを知ったのだろうが・・・」
「わざわざ肝冷斎に言ってもらう必要はないわね、引き揚げましょう」
わははは。いひひひ。おほほほ。
・・・かしこいみなさんが引き上げて行きました。―――
―――話には続きがございます。
荘公は御者の答えを聞いて、嘆息して曰く、
此為人而必為天下勇武矣。
これ、人たらば必ず天下の勇武たらん。
「それでは、この虫は、もし人間であったらたいへんな勇者ではないか」
そして、御者に命じて、
廻車而避之。
車を廻らせてこれを避けしむ。
馬車を迂回させ、かまきりを敬い避けた。
このことがひとびとに伝わると、
勇武聞之、知所尽死矣。
勇武これを聞き、死を尽くすところを知る。
勇者たちはそのことを聞いて、誰のところで死ねばいいかを知った。
荘公の士を大切にすること知り、彼に仕えたいと願ったのである。
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「淮南子」巻十八より(もと「韓詩外伝」巻八に出る話である)。
おいらもうすぐ沖縄から東京に連れて行かれるそうです。また煮え湯を飲んだり地雷を踏みに行ったりするらしい。歯車だから熱さとか痛さとか感じないと思われているのかな。今度のところに、荘公の爪の垢の十分の一ぐらいでも煎じて飲んでいる上司がいたらいいのでちゅがねー。