梅雨のじめじめなのに、沖縄ではPM2.5がきついです。咽喉がガジガジする。また、じゃいあんの害も酷い。さわやかな初夏のお東京ではそんなことは無いのかな?
・・・・・・・・・・・・・・・
わたしのような視野の狭いニンゲンにはあまりよくわかりませんが、世界にはいろんな地域があって、それぞれ変わった特徴や習俗を持っているそうでございますよ。
○晏陀蛮(あんだばん。アンダマン諸島?)というところのひとは、
黒如漆。能食生人。
黒きこと漆のごとし。よく生人を食らう。
肌の色がウルシを塗ったように黒い。生きたままのニンゲンを食べる。
○訶陵(かりょう)というところでは
女人含毒涎液。
女人、毒涎液を含む。
女性の唾液には毒が含まれている。
この液が草木に付着するとたちまちに枯れてしまうという。
丈夫与之合者、輙苦瘡。
丈夫のこれと合する者、すなわち瘡に苦しむ。
男性が女と接合すると、身体にカサが出きて苦しむのである。
たいへんですね。
○黠戛斯(かつかつし。キルギス)というところの人は、みな
赤髪青面緑睛。
赤髪にして青面、緑睛なり。
髪は赤く、顏は青く、ひとみは緑色である。
○突浪(とつろう。ツーラン)というところには大きな松の林がある。
松子重数斤堕人首能殺人。行者必戴兜鍪以備之。
松子重さ数斤、人首に堕つればよく人を殺す。行く者必ず兜鍪を戴きて以てこれに備う。
その松のマツボックリは重さ数キログラム(一斤=約600グラム)もあり、人の頭に落ちて直撃しようものならたやすく死んでしまう。このため、松林を通る者は、必ずカブトを頭にかぶって、その直撃に備えるのである。
○臥蘭的亜(がらんであ。北欧か?)というところは、
在海中。冬三月夜而不昼。夏三月昼而不夜。作壺漏之物以弁昼夜。当三冬時燃魚油為燈以代日光。
海中にあり。冬三月は夜にして昼せず。夏三月は昼にして夜せず。壺漏の物を作りて以て昼夜を弁ず。三冬の時に当たりては魚油を燃やして燈と為し、以て日光に代う。
海中にある島であるが、冬の間の三か月はずっと夜で、昼にならない。逆に夏の間の三か月はずっと昼で、夜にならない。ひとびとは壺の小さな穴をあけて、ここから液体を少量づつ流し、どれぐらい流れたかによって時間を計って、昼か夜を決めるのである。ずっと夜である冬の三か月間は、魚から絞った油を燃やして燈火とし、日光の代わりとしている。
○曚骨(もうこつ。モンゴリア)のひとは視力が強く、数十里外の獣の毛先を見ることができる。
○羅夷(雲南のロロ族)にはしっぽがあり、
久則化為熊、能獲数百歳不死。
久しければすなわち化して熊と為り、よく数百歳の不死を獲。
長生きするとクマに変化する。そうなると、その後数百年の間、死なない。
○駆度寐(くどび)のひとは、
坐浮水上、距踊三丈。
坐して水上に浮かび、距踊すること三丈なり。
水の上に浮かんで座っていることができ、また空中に5〜6メートルも浮遊して舞踊することができる。
○真臘(しんろう。カンブジア)の女性は数え十歳で妻となる。
○麻羅奴(まらど。マラード)では、肉親が死ぬと太鼓を叩いて祭りをし、
食其肉。
その肉を食らう。
みんなで死者の肉を食べる。
さて―――。
○日本国
日本国ではどんなおそろしい風習があるのでしょうか?どきどきどき・・・
其俗不畜髭髮。
その俗、髭髪を畜わえず。
その風俗は、ヒゲや前髪をたくわえない。
月代を剃っていることが珍しかったようです。どきどきしましたが、あまり大したことありませんでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
明・徐応秋「玉芝堂談薈」巻十「人黒如漆章」より。この章の記述はいろんな書物から掻き集めて来ているようですが、一々の典拠はわかりません。とりあえず肝冷斎はこういうどうでもいい下らない記述、好きなんですわー。