こんにちはー!
今日は童子に変化して古代に来てみまちたよー。
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うっしっしっしー。時空も超え、しかも童子形をとっていますから、普段のおいらだと気の付くやつはおりません。しごとも無ければ人間関係も無いのでしあわせ。
お。
向こうからくるのは市場の南の郭に住んでいる南伯の子葵でちゅね。
「これこれ、南伯子葵よ、どこへ行くのでちゅかな?」
とオトナのような口の利き方で呼び止めてみますと、子葵は振り返って、
「おお、肝冷童子ではないか。わしはこれから女禹さまのところへ教えを受けにお訪ねしようとしているところだ」
女禹さまは最近町にお見えになられた女の仙人さまでちゅね。おいらも一度会ってみたいな。しかしコドモ相手ではなかなか会ってはくれまい。よし、この南伯おやじを利用してやるか・・・。
「うわあ、女禹ねえたまのところに行くのでちゅか。いいなー、おいらもつれて行ってほちいなー」
とコドモらしくねだってみます。
「ふむ。・・・たしかにコドモ連れの方がオンナ相手には有利かも知れぬな。いやあ、コドモが言うのでしかたないので訊きますが・・・みたいな言い方もできるからな。ふふふ、わしもいろいろと世間を見て来たオトコ、ふところはひろくしておくに越したこともあるまいよ・・・」
「何をぶつぶつ言っているのでちゅか」
「いやいや、何も言ってませんよ。では一緒に行こうかのう、肝冷童子よ」
「あい」
というわけでおいらたちは連れだって女禹さまのおられる町のお廟に行きました。
お目通りを願うと、女禹さまはたいへんなお年寄りだと聞いたのに、見た目すごく若い。
若い女の人の前ではシリゴミするタイプのおいらたちは二人そろってモジモジしておりましたが、南伯子葵がおいらを肘でつっついて
「ま、まずコドモから訊いてみなさい(・・・こんなときに話題を作るためにコドモを連れてきたのだからな・・・)」
と言うので、おいら曰く、
子之年長矣、而色若孺子、何也。
子の年、長じたり、しかして色の孺子のごときは何ぞや。
「えーと、おねえたま、おねえたまのお歳はすごい年寄だと聞きますのに、見た目はコドモのようでちゅ。どうちてでちゅか?」
「おほほほー、コドモらしい率直な質問ですこと」
と女禹さまは御笑いになって、
吾聞道矣。
吾、道を聞けり。
「あたしは「大いなる道」のことを聞いて知っているからだよ」
とお答えになった。なんで「道」を聞いて知っていると見た目が若くなるのか、メカニズムはよくわかりませんが、とりあえず若いと言われたのでゴキゲンよさそうな感じになっていますよ。
「ゴキゲンよさそうじゃな。よし、次はわしが訊いてみるぞ」
と、南伯子葵が膝をにじりと進めて、質問した・・・。
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おそらく大切なコトを問うのでしょう・・・が、明日以降に続く。「荘子」大宗師篇より。