今日もあちかった。まだまだ暑くなるのかな。ところで本日岡本全勝さんのHP(2月4日更新分)でご紹介いただきました(正確にはおいらではなく観タマをしている方の肝冷斎の紹介ですが)ので御報告させていただきまっちゅ。
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さてさて、こびとちゃんのお話。
その一・・・・・・・・・・・・・・・
古代、各地にいる「物」といわれた神怪たちについての情報を整理した「図」の解説書であったと思われる「山海経」に、すでにこびとちゃんの記述があります。(同書「大荒東経」)
東海之外、大荒之中、有小人国、名靖人。
東海の外、大荒の中、小人国有り、靖人と名づく。
東の海の向こうの大辺境地帯にこびとちゃんの国がありまちゅ。「靖人」(せいじん)と呼ばれていまちゅ。
後漢の字書「説文解字」によれば、「靖」(セイ)は「細かいすがたのこと」ということですから、「靖人」はそのまんま「小さい人」の意。
また「列子」(湯問篇)には、
東北極有人、名曰諍人、長九寸。
東北の極に人あり、名づけて「諍人」(じょうじん)と曰い、長九寸なり。
東北方面の世界の涯に、「諍人」と呼ばれる人々が住んでいる。このひとたちの背丈は20センチぐらいしかない。
と書いてあります。「諍」(じょう)はいにしえは「靖」(せい)と同じ音であったと推定されますので、この二つの情報は同じことを伝えているのではないかと思います。
「東海の外」「東北の極」・・・ということは、おお! これこそ千島列島にいたというコロポックルちゃんのことではありませんか。やっぱり実在したのだ! (・・・紀元前の「靖人」と早くとも15世紀ごろに千島に渡ったと思われる千島アイヌとでは時代がまったく合いません。ケド、まあ、いいか。コドモの罪の無い想像力で夢のようなことを考えたのだ、ということにしておきまちょーね。)
その二・・・・・・・・・・・・・・・・・
こびとちゃんは他の地方にもおられまちた。
漢の司馬遷の大著「史記」巻123「大宛伝」の中にアルサケス朝ベルシアのことを記したと思われる「安息国」の説明があります。その註釈(「史記正義」)によりますと、安息国のさらに西には條支国(セレウコス朝シリアに比定さる)があり、この條支国の西の大海(地中海と考えられる)を越えたところに、大秦国(ローマ帝国に比定さる)という大国があるそうで、さらに
小人国在大秦南、人纔三尺。
小人の国、大秦の南にあり、人わずかに三尺。
こびとちゃんの国が、この大秦国の南の方にあるのでちゅ。そこのこびとちゃんの背丈は60センチぐらい。
ローマ帝国の南、なら、イベリア半島とかマグレブ(アフリカ北岸)なのでちょうか。こわいこわいアルジェリアのあたりかな。
ここのこびとちゃんたちは農耕を行っています。そして、
其耕稼之時、懼鶴所食。
その耕稼の時、鶴の食らうところとなるを懼る。
こびとちゃんたちには一つ心配事がある。畑地で耕作に従事しているとき、鶴が空から降りてきてこびとちゃんたちを食べてしまう、というのです。
えー! かわいいこびとちゃんを良い鳥のはずの鶴が食べてちまうのでちゅか!
このためこびとちゃんたちがたいへん心配するので、
大秦衛助之。
大秦これを衛助す。
大秦国は護衛を出して、こびとちゃんたちを守っている。
のだそうでちゅ。ああよかった。このこびとちゃんたちの国は
焦僥国。其人穴居也。
焦僥国なり。その人、穴居せり。
「しょうぎょう」国といわれています。こびとちゃんたちは穴の中で暮らしているの。
穴の中に住んでいるなんて、中世ヨーロッパの地の精コボルトちゃんみたいですねー。
その三・・・・・・・・・・・・・・・・
また、チュウゴク大陸にもこびとちゃんはいたそうです。
「廣博物志」に曰く、
魏時河間王子元家、雨中有小児八九人堕庭前。長六七寸許。
魏の時、河間王・子元の家に、雨中、小児八九人の庭前に堕つる有り。長六七寸ばかりなり。
魏のころ、河間王の曹子元の家に、雨とともに小さな童子が八人〜九人も、庭先に落ちて来たことがあった。その背丈は15センチぐらいであった。
河間王驚き、
「あわわ、き、きみたちはどこから来たのだ?」
と問うに、
自言家在河東南、為風所飄而至於此。与之言甚有所知。
自ら言うに、「家は河東の南にあり、風の飄(ひるがえ)すところと為ってここに至れり」と。これと言うに甚だ知るところ有り。
彼らが言うには、「おいらたちは山西の南の方に住んでいる種族なのでちゅが、風に吹かれてここまで飛ばされてきまちたー」と。
王は彼らとさまざまなことを会話したが、かれらは実に物知りであったということだ。
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以上から、こびとちゃんには、少なくとも@東海に住む九寸(20センチぐらい)の中型こびとちゃん(コロポックルか?) A地中海方面に住む三尺(60センチぐらい)の大型こびとちゃん(コボルトか?)、Bチュウゴクに住む六七寸(15センチぐらい)の小型こびとちゃん の三種類がいることが確かめられました。
これらは地理的にも大きく離れていることから、それぞれ独自に進化したものとみられます。
一方、文化的には、
○中型コロポックルは、特段の気録がないのでおそらく採集経済を営んでいたと思われる。
○大型コボルトは耕作はできたが穴に住んでいた。鶴に負ける。
○小型チュウゴク大陸型はいろんなことを知っている物知りこびとであった。
ということから推して、@→A→Bの順で進んでいたと見られる。
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こびとちゃんについて、かなり体系的な知識が得られましたよ。
みなちゃんがいい子ちゃんにしていたら、またこびとちゃん情報を調べて教えてあげまちゅから、楽しみにしててね。バッハハーイ。
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はあ。・・・今日は飲み会。それもエライひとたちと。なのに途中から(ほぼ20時〜21時の間)、爆睡。失礼にもほどがありますね。・・・まったく、コドモなのに大人のふりをしているのは疲れまちゅ。また頭痛くなってきたし。(>_<)