今日もしぼられたわー。(>_<)
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姜氏は男好きのする女で、資力のある「いい男」にしか靡かないと自ら言うていたとおり、武科挙の受験資格を持つ葉某に口説かれて、彼奴の囲い者になった。
ところが葉某の情婦になってしばらくしたところ、この葉某が急死してしまったのである。
姜不慣独眠合勧牀。
姜、独り合勧牀に眠るに慣れず。
姜は、ダブルベッドに一人で寝るのはさびしくってしようがなかった。
ある晩、
有人弾指款扉。
人、指を弾き扉を款(たた)く有り。
誰かが表で指を鳴らし、扉を叩いたのである。
姜は一瞬美しい眉を顰めて迷ったが、すぐに髪のほつれを直すと
「どなたさんだね?」
と扉の閂を外した。
すると、
「おれだ」
と
解扉葉入。
扉を解して葉、入る。
扉を開けて入ってきたのは、死んだはずの葉であった。
「あ、あんたーーー」
「どうしたい? ほかの男を待っていたのか?」
「何言ってんだよ!」
頓忘已故、燕昵如旧。
頓にすでに故なるを忘れ、燕昵すること旧の如し。
突然のこととてもう死んでいるのをふと忘れ、姜は葉にしなだれかかり、しっとりと楽しみあうこと以前のとおりであった。
・・・・・・・(*^_^*)
さて。
事終わってうっとりと夢見るように満ち足りていた姜の耳もとに、葉が口を寄せてきた。
耳たぶに触れるほどにくちびるを寄せると、そっとささやく。
爾喉有疾。吾為爾視。
なんじ、喉に疾有り。吾、なんじのために視ん。
「おまえ、のどに病気があるんじゃないか。おれが診てやろうか?」
「え? なに?」
「おまえ、のどに病気があるんじゃないか?」
「さあ・・・。あんた診ておくれよ」
姜張吻。
姜は吻を張りぬ。
姜はくちを大きく開いた。
「ふん、おもしろい女だぜ」
葉は笑うと、
接吻。
吻を接す。
口を重ねてきた。
「むむん、あんたあ」
姜はその熱い口づけに身を任せ・・・・・・・
ようと思ったのに、葉は
便吹。
すなわち吹く。
突然、息を吹き込んできたのだ。
其気冷於氷、直達肺隔。
その気、氷より冷たく、直ちに肺隔に達す。
その呼気、氷よりも冷たく、肺の奥にまで吹き込んできた。
「な、なんだよー・・・・」
姜は気を失った。
次に気が付いたときにはもう葉の姿はどこにも見えず、姜は咽喉と胸が激しく痛み、厨房の水甕のところに走り寄ると、何度も何度もひしゃくで水を飲んだが、痛みは治まることはなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ほんと、あのときは、
至次夕、喉痛不治。
次の夕べに至るまで、喉の痛み治まらず。
次の日の晩まで、のどが痛くて痛くて、どうなっちゃうことかと思ったわよ」
「はあ」
わしは盃を止めて頷いた。
ここは浙江・華亭の場末の酒場である。
カウンターを隔てて目の前にいるのはその姜氏である。
「姜ねえさん、それで、あんたその後は・・・」
「ああ、二日したらけろっと治って、それからはもう葉は二度と現れてくれなくなったから、あたいは二人の家を畳んで、こうやって酒場を開いて暮らしている、てわけよ」
その後は何の不思議なことも無かったという。
というわけで、幽霊の吹き込む霊気の効果は二日間ぐらいであることが判明した。
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清・諸聯「明斎小識」巻十二より。
霊気は二日ぐらいですが、わしの方はつらいおもてのしごとが発生しており、明日・明後日・明々後日ぐらいまで更新できないかも。耐えに耐えて週末近づいてきたのに・・・。