平成24年6月7日(木)  目次へ  前回に戻る

 

いろいろ思うところもあり、死にざまにつきまして。

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@   元の名儒・許魯斎先生、病の革まり、危篤に陥っても、

猶正衣冠而坐。

なお衣冠を正して坐す。

なおも正装し、冠をかぶって座っておられた。

門人が進み出て申し上げるに、

先生視稍偏矣。

先生、視ることやや偏なり。

「先生、視線が少しかたよっておられます」

先生はもう答える力も無かったが、それでも

更粛容端視。

さらに容を粛にし、視を端にす。

さらにいっそうかおつきを厳粛にし、視線をまっすぐにされた。

頃之微瞑遂逝。

頃之にして微瞑しついに逝けり。

しばらくすると、まぶたが落ち、わずかに目を瞑ったかに見えたが、そのときにはもうこときれておられた。

A   明の大儒・陳白沙先生、ついに亡くなった。

遺族や弟子がそのなきがらの前で哀悼の意を尽くしたが、その間ずっと

頂出白気勃勃如蒸。

頂より白気の勃勃として蒸の如きを出だす。

頭のてっぺんから、白い蒸気のようなガスがびゅうびゅうと噴き出していた。

すごい精気が入っていたのである。

竟日乃息。

竟日すなわち息(や)む。

まる一日経ってようやく噴き出さなくなった。

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「元明事類鈔」巻二十五より。

どちらもかっこいい。@は人事を尽くしたのであり、Aは天命を俟ったのである。

しびれる。憧れる。ようし、わしもがんばって死ぬぞー! ・・・という気になりますよねー。

 

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