御伽衆のしごとは楽しいのでございます。
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さてさて。
形ありものは形無きものより生じてきたのでございます。形無きものを無極といい、それより太極生じ、太易あり、太初あり、太始あり、太素あり・・・。話していると長いので、ぐぐっと縮めますと、気変じ、形窮まって、清く軽きものが上がって天となり、濁り重きものが凝り固まって地となった。天地すでに分かれまして、その間に精を含み雲やら靄やら湧いて万物が生まれたのでございます。
天地は万物のおや、陰陽の根本。物の中でもっとも霊なるものを人といい、天地と並べて、天地人を三才という。
人がどのように生まれたか。
陰陽互いに交わって、五つの物質が錯綜しているとき、大地の真ん中の湿度も熱も高いところに一人の「ひと」が出現したのじゃ。
方身円面、智慧天成、常起立四望。
方身にして円面、智慧天成し、常に起立して四ほうを望む。
その形、胴体は方形、頭部はまるい。自然と智慧が備わっていて、いつも直立して四方を眺めわたすことができるのが、ほかの動物と大いに違うところ。
このひとが、日が落ち、月が昇り、もろもろの星が北極星を中心にしてめぐるのを眺めていると、
忽大星中溜道金光墜地。
忽ち大星中の溜、金光を道びきて地の墜ちたり。
突然、北極星からぶにょぶにょ、とこぶが出現し、それが黄金の光の道に乗って大地に落ちてきたのでありました。
これは何事ぞと駆け寄ると、そこには自分と同じような「ひと」が立っていた。
ただし、背丈は地上の人間の倍で、体中から黄金の光を放っているのでありました。
その大きなひとが言う、
「おまえを長い間抱いていたのだがね、いつの間にかこちらの世界に生まれ直していたのだねえ」
そして、地上の木や草で服を編み上げると、それを地上の人に着せ、
「おまえの名前は「黄老」だよ」
と教え、また世界の成り立ちを話した。・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・とまあ、こんな仕組みになっているのだがねえ、人の世界は人の血気がつながっていくことで展開していくのだ。おまえも自分の子孫を遺すことを考えねばならない」
「子孫を遺す? それは一人でもできることなのですか」
「子孫を遺すのは、一人ではできないねえ」
「はあ・・・」
「だから、
天地以陰陽之元気氤氳交密、先化汝五人于五方。
天地は陰陽の元気の氤氳(いん・うん)として密に交わるを以て、まず汝ら五人を五方に化せしむるなり。
天と地は、陰と陽の第一物質がうにょうにょと密に交わる地点を選んで、まずはおまえら五人を五つの場所に生み出したんじゃないか」
「五人?」
「ああ、そうか、もうそれも忘れてるんでしたねえ・・・」
この五人とは、
中須弥黄老
北滄浪水精子
南石唐赤精子
東尾閭木公
西崑崙金母
でございます。
彼らは生成の秘蹟を行って、嬰児と奼女の二人を設け、この二人から人類は殖えて行ったのでございました。
やがて、開闢以来通行できなかった南方の道が開け、南方にも人類が多くいたことがわかりました。この南方の国がこのときは最も文明が進んでおりましたので、南方の盤古氏が人類の長となった。
ついで、上元夫人の生むところの天皇氏が盤古の後を継ぎ、后土夫人生むところの地鏗氏がこれを助けて、はじめて干支と三辰のことを定めた。三辰とは、日と月と星、これは暦を成すものでございます。
天皇氏没して、その子どもたちは相譲り合い、地氏の兄弟たちに王位を継がしめた。これが地皇氏でございます。
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「歴代神仙通鑑」第一節
太極判化生五老、 太極判(わか)れて五老を化生し、
三才立発育烝民。 三才立ちて烝民を発育す。
太極分裂して五人の根源人類生まれ、
天地に人加わってたくさんの人民発育す。
のダイジェストでございます。
これを読むと、人類が「スター・シード」(宇宙人によって生み出された)であることが明らかになりますね。「黄金色の背丈2倍のやつ」は旧約聖書に出てくる「神々」(←一神教なのにこう書いてあるのです!)と同類のモノで、宇宙から来たやつらにちがいありません。違うというなら証拠を示していただきたい。
さてさて。
このあと、神仙たちの活躍で人類がどのように増え、その中からも仙人が生まれてくる次第が、194節まで書いてあるのです。これからゆるりと話して行きまする。
世に「御伽」の種は尽きませぬのじゃ。
ちなみに、本日、赤山地下壕跡見学、国司神社、館山市立博物館、同分館調査。帰りに御禁制品のく○らの弁当買うてきたった。