雨が降って蒸し暑い夜だ。・・・と思いますよ、地上のみなさまにとっては。
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シナの古い言いぐさに、
神衰鬼弄人。
神衰うれば鬼も人を弄(もてあそ)ぶ。
ひとの精神が衰えると、鬼霊どもによいようにされる。
というのがございます。
―――国が地震・津波・原発・総理の複合災害で弱ると、周辺国家のいいようにされる、という意味―――も比ゆ的にはあるかも知れませんが、清の北荘先生・王有光によりますと、
神者、人之英華。
神なるものは人の英華なり。
「神」というのは人の「花びら」のようなものなのだ。
という。
この「神」は、月明かりの下で露に濡れた草の間を行くときなど、
現出精光、顧影自見。
精光を現出し、影を顧みれば自ずから見(あら)わる。
不思議な光が足元に現れるものである。気づいて自分の影をかえりみると、影のまわりに自然と見えるのだ。
或数尺、或数尺外、閃閃爍爍。
あるいは数尺、あるいは数尺外ありて、閃々(せんせん)爍々(しゃくしゃく)たり。
ある場合は1メートル弱、ある場合は1メートル以上あって、きらきらちらちらと見えるのである。
悪霊や精霊はこの光を見るのがイヤらしく、草むらからこちらを窺っているだけで、そばには寄ってこない。
―――どうやら、この「神」というものは、われわれが「オーラ」として知っているもの、のことではないか、と思えてならない・・・ことはありませんか?
しかし、この「神」が衰えてくると、悪霊どもはそばに寄ってきて、奇怪な姿を目の当たりに現し、おびやかしたり悪さをしたりするようになり、ひとはさまざまな病いや不幸に悩まされるようになるのである。
―――天上から見るとそういうの、よく見えますよ。
「さて」
と王有光は言いました。
神衰鬼弄人。
の対句があるんだけど、わかるかなあ?
ポクポクポクポク・・・・・・・・・・チーン。
正解は、
勢敗奴欺主。
勢敗るれば奴も主を欺く。
御主人さまも落ちぶれると、召使いに騙される。
でした。
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「呉下諺聯」巻一より。
もう一問出します。そもさん。
むかし、世尊(おシャカさま)が霊鷲山上で、
拈花示衆。
花を拈(ひね)りて衆に示す。
一本の花を手に持って、みなみなにお示しになった。
みなはそれを見て、何の意味だろうかと黙りこくっていたが、世尊は迦葉(かしょう)尊者だけが
○○○○
しているのをご覧になられ、
「おお、迦葉よ。わたしには「正法眼蔵」(秘められた正しい真理を見る視力)、「涅槃妙心」(悟りの境地のいい感じ)、「実相無相」(見えざる素晴らしきまことの姿)がある。これらをおまえに、「不立文字、教外別伝」(文字や言葉にせず、一般の教えとは別の伝え方)にて、委ねようと思う。」
とおっしゃられた。
かようにして、禅の教えはおシャカさまから、まず迦葉尊者(マハー=カッサパ)に伝えられたのである。
と、「大梵天王問仏決疑経」というお経(シナで書かれた偽経だそうですが)に書かれております。
さて、迦葉尊者は、世尊が花を手にしているのを見て、何をしたのでしょうかな?
の