平成22年10月25日(月) 目次へ 前回に戻る
このモノのエネルギー源はなにか、わかりますかな?
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唐・代宗の大暦八年(773)、呉明国という国の使者が長安にやってまいりました。
呉明国とは従来の歴史書に聞かぬ国名である。
使者を引見して、皇帝は、
「いったいどこにあるのかな?」
とお訊ねになった。使者が答えていうに、その国は
去東海数万里、経挹婁、沃沮等国。
東海を去ること数万里、挹婁(ゆうろう)、沃沮(よくそ)等の国を経。
「東の海をさらに数万里行き、挹婁(ゆうろう)や沃沮(よくそ)の国の向こうにございます。」
地理的にはアムール河の彼方ということになろうか。
「我が国の地は五穀いずれの生育にも宜しく、また多く玉を産出します。そして、その人間性は礼を守り音楽を楽しみ仁義にはずれず、盗みというものがございません。
人寿二百歳、俗尚神仙。
人寿は二百歳にして、俗に神仙を尚(たっと)ぶ。
ニンゲンの寿命は二百歳にも及び、そのくにぶりは神仙の道を尊重しております。」
雰囲気的にあまり寒い地では無さそうです。ハワイあたりに比定できるかも知れません。
「ほほう」
皇帝はたいへん興味をもたれたようで、玉座より身を乗り出しつつ、
「そのようなすばらしい国が、どうしてこれまでチュウゴクに名を知られてこなかったのかな?」
と問うた。
「それ、それでございますぞ、皇帝陛下。さすがにお目が高い」
使者はにこやかに答えた。
「我が国がこれまでチュウゴクに使いを遣わせて我が国の名を知らせなかったのは、チュウゴクが常に乱れていたからでございます。しかし、最近は西の方に
常望黄気如車蓋、知中国有土徳君王。
常に黄気の車蓋の如きを望み、中国に土徳の君王有るを知れり。
いつも黄色い気が噴き上げて、車の屋根のような形になっているのが見えました。このため、チュウゴクの地に「土」の徳をお持ちになったすぐれた君主が現われたのだ、とわかったのでございます。
そこで、我が君主は、わたくしめに宝物を預け、皇帝陛下のもとに遣わしたのでございまする〜」
それを聞いて皇帝喜びなのめならず、たくさんの賜わり物を与えたのであった。
「ははー、ありがたきしあわせ。我が主君も喜び申し上げましょうぞ〜」
使者は大量の賜わり物を頂戴して、いずこともなく去って行った。・・・・・・・・・・・・・・・・・
あやしい。
・・・・・・・・と思うところですが、この使者が献上していった宝物がすばらしい宝物であった。
それは大きな鼎(脚のあるナベ)である。
名づけて
常然鼎(じょうねん・てい)
という。「常に然(=燃)えている鼎」の意。
量容三斗、光潔類玉、其色純紫。
量は三斗を容れ、光潔は玉に類し、その色は純紫なり。
唐の一斗は6リットル弱。
18リットルのものが煮炊きできる大きさで、ぴかぴかと玉のように美しく、純粋なあおむらさきの色をしていた。
外見もすばらしいが、なんと、
毎修飲饌、不熾火常然、有頃自熟、香潔異常。
飲饌(いんせん)を修むるごとに、火を熾さずして常に然え、有頃にして自熟し、香潔も常に異なれり。
飲食物を煮炊きする際には、つねに下から火を燃やさなくても温まり、しばらくすると自動的に煮えるのである。できあがりの香りや清潔感もすばらしいのである。
しかも、
久食之、令人反老為少、百疫不生。
久しくこれを食らうに、人をして老を反して少たらしめ、百疫を生ぜざらしむ。
これで煮炊きしたものを長く食っていると、そのひとはだんだんと若返り、どんな病気にもかからなくなるのである。
というすばらしい宝物であ(ると、使者が口頭で述べてい)ったのですが、残念ながら実際に使われたという記録はない。
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「南部新書」巻壬より。
これは核分裂か核融合のエネルギーでしょう。としか考えられません。ほかに考えられるエネルギーがあったら教えてほしいものだ。
なんとも高い文明があったのですなあ。これやこういうのをちゃんと使わないからアジアは環境に配慮してないといわれるんだよね。